米ズーム、プライバシー保護と安全性の不備を謝罪

2020/4/3 6:12 (2020/4/3 6:35更新)
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外出制限に伴う在宅勤務の拡大でズームの利用は急増したが、プライバシー保護や安全性への懸念が出ている

外出制限に伴う在宅勤務の拡大でズームの利用は急増したが、プライバシー保護や安全性への懸念が出ている

【シリコンバレー=佐藤浩実】ビデオ会議大手の米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは2日、ハッキング被害などの急増をめぐりプライバシー保護と安全性の不備を謝罪した。新型コロナウイルスの拡大に伴う在宅勤務の拡大で脚光を浴びたものの、株価は今週だけで2割下落。新機能の開発を凍結して対策を講じるとしており、新興企業から脱皮できるか正念場を迎えつつある。

「プライバシー保護やセキュリティーに対する(利用者の)期待に届いていかなかった。深くおわびする」。2日未明、エリック・ユアン最高経営責任者(CEO)がブログにこう投稿した。通常の開発業務を今後90日間にわたり中断し、利用者や専門家から指摘が相次ぐプライバシー保護とセキュリティー対策に集中するという。

ズームは新型コロナの感染拡大を防ぐための外出制限が広がったことで、利用が急増したサービスだ。2019年12月時点では多い日で1000万人だったユーザーは20年3月に2億人に拡大。企業の会議や学校の遠隔授業、個人のパーティーなどにも使われ、社会生活を維持するためのライフラインの一つになりつつある。

一方で利用の急増によって悪意を持つハッカーの関心も集めた。ビデオ会議に参加するURLやコードを類推して遠隔授業に侵入し、下品な言葉を叫んだり、ポルノ画像などを映したりする犯罪が急増。3月下旬には米連邦捜査局(FBI)が警鐘を鳴らした。さらに利用者のデータをフェイスブックに無断転送する仕様が見つかり、集団訴訟も起きている。

ズームはフェイスブックへのデータ転送を即座に中断したほか、ハッカーの侵入を防ぎやすい基本設定に切り替えるなど対策を講じている。安全な使い方を教えるセミナーも増やしていくという。

ただ、先週末27日の終値時点で151.7ドルだった株価は4月2日には121.9ドルと20%近く落ち込んだ。使いやすさで脚光を浴びたサービスだけに、利用者の不安をどこまで解消できるかが試される。

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