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富士フイルム、アビガン増産へ デンカから原料調達

富士フイルムホールディングスは、新型コロナウイルスに対する治療効果が期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン」の増産に向け、調達先を増やす。新たにデンカから生産に必要となる原料を調達することが決まった。富士フイルムは世界的な感染拡大を受け、今後も原料の調達先や一部の生産工程の委託先を増やす考えだ。

富士フイルムの子会社が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン」

デンカが2日、5月から香料や医薬品などに使われる「マロン酸ジエチル」の生産を新潟県糸魚川市の工場で始めると発表した。同社はマロン酸ジエチルの国内唯一のメーカー。海外勢との競合が激しくなり、17年に生産を休止していたが生産設備などは残していた。

デンカはアビガンの供給体制を国内で構築したい政府から要請を受け、決定したとしている。富士フイルムは海外の調達先から原料を確保していたが、増産に向けて国内の化学メーカーなどにも協力を要請していた。今回は政府の仲介でデンカからの調達を決めた。

デンカは原料の生産量を開示しておらず、再稼働に伴う生産能力の増強は現時点で考えていないという。将来的な増強は「アビガンの生産量に応じて検討していく」(同社)という。

アビガンは富士フイルム子会社の富士フイルム富山化学が開発した。政府がインフルエンザ向けに200万人分を備蓄するが、新型コロナの治療薬としては不十分な可能性が高い。富士フイルムは政府の要請を受け、増産に向けた準備をしてきた。増産の規模は非公表だが、数百万人分以上になるとみられる。

中国政府は3月、アビガンについて臨床研究で新型コロナに対する有効性を確認したと発表している。日本でも政府が承認に向けた手続きを進めると表明し、富士フイルムは3月末に国内で臨床試験(治験)を始めた。承認されれば早期に全国の医療機関で処方を受けられるようになる。

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