金属労協、賃上げ見送り4割超 新型コロナで不透明感

2020/4/2 18:58
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春季労使交渉の結果について記者会見するJAMの安河内賢弘会長(左)ら(2日、東京都港区)

春季労使交渉の結果について記者会見するJAMの安河内賢弘会長(左)ら(2日、東京都港区)

自動車や電機など主要製造業の労働組合でつくる金属労協は2日、2020年の春季労使交渉について3月末時点の結果を発表した。すでに回答のあった組合のうち、4割以上で賃上げが見送りとなった。米中貿易戦争や消費増税に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で不透明感が増している。前年同時期との比較では賃上げの金額などで中小企業の低下が目立つ。

金属労協によると、3月末時点で回答のあった1286組合のうち、定期昇給分以外に賃上げを獲得した組合は725組合で56.4%で、残りの43.6%は賃上げが見送られた。獲得した組合における平均回答額は月額1198円。19年の同時期の集計では獲得率が68.1%、平均金額は1383円だった。

規模別にみると300人未満など規模の小さい組合ほど賃上げ額が大きかったという。傘下の組織別では、鉄鋼などで構成する基幹労連や中小の機械・金属関連の中小メーカーを中心に構成するものづくり産業労働組合(JAM)で前年の獲得実績を下回る動きが目立った。金属労協の浅沼弘一事務局長は「新型コロナの影響が一部で出て、先行きの不透明感がある」と話す。

JAMが同日、別途発表した2日までの集計では、基本給を引き上げるベースアップ(ベア)に相当する賃金改善で、組合員300人未満の労組は平均で1324円を獲得した。300人以上の労組を含む全体(1267円)を上回ったが、前年同時期より285円減少した。

300人未満の平均賃上げ額は4912円と前年を498円下回った。JAMの安河内賢弘会長は記者会見で「もともと昨年4月から中小企業の景況感が落ち込んでいたので、今年の春季労使交渉は厳しくなると覚悟していた」と語った。

JAMの賃上げ交渉の回答進捗率は2日時点で49%と半数に満たず、交渉は今後本格化する。新型コロナによる中小企業の影響について、安河内会長は「自動車メーカーを中心に工場が止まっている。中小は大手の生産が止まってから部品発注が止まるので、本当の危機はこれからだ」と懸念を示した。

組合員数の多いJAMの主要30単組の交渉状況については、2日時点では3単組がベアで前年を上回り、20単組が前年を下回っている。主要30単組では例年この時期は交渉が終わっているが、今年は新型コロナの影響で交渉が延びている単組もあるという。

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