新型コロナ「途上国に深刻な影響」 WHO事務局長
【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は1日の記者会見で、新型コロナウイルスの急速な感染拡大について特にアフリカや中南米などへの打撃を懸念し、「社会、経済、政治の面で深刻な影響を及ぼす可能性がある」と述べた。

テドロズ氏は史上初のコロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で、未知な部分が多いとして、各国政府や個人に一層の対策と警戒を呼びかけた。
なかでも途上国は医療体制が脆弱なほか、移動制限などで貧困がさらに加速する恐れがある。テドロス氏は途上国の経済崩壊を回避するため、国際社会に債務の免除を求めた。国連貿易開発会議(UNCTAD)も、途上国に約270兆円の経済支援策が必要と訴えている。
テドロス氏は過去5週間で「新たな感染者が指数関数的に増加した」と分析し、ほぼすべての国や地域で感染が発生していると報告した。死者はこの1週間で2倍以上に増え、「数日内に感染者は100万人、死者は5万人に達するだろう」と話した。