スマート農業、現場目線で「過剰品質」なくせ
編集委員 吉田忠則
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人工知能(AI)などの先端技術を使うスマート農業が盛んになっている。経験や勘に頼らず、ロボットがすべてこなしてくれれば確かに便利。だが現場で役に立つのは必ずしもそうした技術とは限らない。
その機械はとてもシンプルな姿をしていた。本体は「口」の字を縦に伸ばしたような形の金属製の箱。高さ約70センチのこの箱の内側に、短い筒が水平につり下げられている。本体を補助する機械は金属製の棒で、箱とケーブルでつ...

農政から先進農家、スマート農業、植物工場、さらにカリスマシェフや外食チェーンなど「食と農」に関するテーマを幅広く取材してきた。著書に「見えざる隣人」「農は甦る」「コメをやめる勇気」「農業崩壊」。中国の駐在経験も。