神奈川県内景況感、6年9カ月ぶり低水準 日銀短観

2020/4/1 18:49
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日銀横浜支店は1日、3月の神奈川県内の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。景況感を示す業況判断指数(DI)は全産業ベースでプラス3で、2013年6月以来の水準となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、前回19年12月調査から8ポイント悪化した。福田英司支店長は「コロナの影響は見極めが難しく、今後大きく変動する可能性がある」としている。

DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した割合を引いた値。調査対象は322社で有効回答率は98.4%。全国のDI(マイナス4)より高かったものの、減少幅は同じだった。浜銀総合研究所の小泉司上席主任研究員は「今の状況が続くと次の短観は相当悪い結果になるのではないか」と指摘した。

業種別では製造業が11ポイント悪化のマイナス5、非製造業は7ポイント悪化のプラス8だった。製造業は16年6月以来のマイナス値で、特に素材関連はマイナス20に落ち込んだ。非製造業は外出機会の減少でタクシーやバスの利用が減り、運輸・郵便がマイナス3となった。観光・宿泊業を含む対個人サービスは13ポイント悪化しプラス7となった。

建設業は「再開発が他地域に比べると多い」(福田支店長)ことから、6ポイント低下したもののプラス28と高水準だった。杭(くい)抜き工事の横浜ライト工業(横浜市)の浜口伸一社長は「(手元の受注で)6月までは動くだろう。7~8月ごろから影響が出てくるのではないか」とみている。

今回の調査は回答期限の基準日を3月11日としており、外出自粛や東京五輪・パラリンピックの延期が決まる前に回答している企業が多い。神奈川県は中小の製造業が多く、6月の景況感は今回の予想値(マイナス12)よりさらに悪化する可能性がある。

■20年度の設備投資、県内企業は7%減の見込み

企業短期経済観測調査(短観)によると、2020年度の神奈川県内企業の設備投資は全産業ベースで前年度比7.4%減の見込みとなった。新型コロナウイルスの収束時期が見通せないなか、投資に慎重な姿勢が鮮明となっている。

19年度の設備投資の実績は同21.6%増を見込んでいるが、20年度は前年を下回る見通しだ。浜銀総合研究所の小泉司上席主任研究員は「この先の需要が分からないなかでは、企業もなかなか設備投資できない」と指摘。影響が長引けばさらに悪化する懸念もあると分析する。

仏自動車部品大手フォルシアの日本法人、フォルシア・ジャパン(横浜市)は福島県郡山市で国内初の工場の開設を予定している。5月に開所式を予定していたが、延期を決めた。ただ、すでに受注があり「メーカーからキャンセルがない限り、稼働予定は変わらない」(担当者)という。

ただ、出張自粛やテレワークの広がりを機に、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の導入を進める企業もある。鋳物製造のコイワイ(神奈川県小田原市)は離れた工場間で製造状況をリアルタイムで共有するシステムを導入する検討を始めた。小岩井豊己社長は「コロナが収束した後も、テレワークなどの勤務形態が一般的になるのではないか」とみて、勤務環境の整備も進める方針だ。

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