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新型コロナ 静岡の非製造業・製造業に影 日銀短観

歓送迎会シーズンにもかかわらず街は閑散としている。道路にはタクシーが並ぶ(静岡市中心部)

日銀静岡支店は1日、3月の静岡県の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。景況感を示す業況判断指数(DI)は、全産業で前回調査から9ポイント低下のマイナス10だった。非製造業がマイナスに転落したのは2015年3月調査以来となる。業況が悪化していると答えた企業のうち、製造業では3分の2が、非製造業では5分の4が、新型コロナウイルスを理由に挙げた。

製造業のDIはマイナス19、非製造業のDIはマイナス3だった。いずれも前回調査から9ポイント低下した。両方がマイナスになるのは2014年6月調査以来。需要減に直面し、製造業で7割、非製造業では5割の企業が計画していた売上高を前回調査から下方修正した。

スズキの2月の四輪車世界生産は、前年同月比5%減った。2カ月連続で縮小した。主力のインドは値下げや新型車の効果はあるものの、経済減速が続き販売は厳しい。それ以外の主要生産拠点も軒並み生産を落とした。世界的に新型コロナウイルスの感染が広がるなか、市場の回復は「全く見通せない」(鈴木修会長)状況だ。

自動車のアフターパーツなどを製造するエッチ・ケー・エス(HKS)の水口大輔社長は「各国で外出規制が広がり、海外販売に影響が出かねない」と話す。

こうした製造業の不振で荷動きが低下した運輸・郵便でもDIが大幅に悪化した。物流大手のハマキョウレックスは、子会社が手掛ける自動車の配送が3月以降大幅に落ち込んだ。国内の自動車メーカーで工場の稼働停止や減産が相次いでいることが原因だ。2020年3月期の業績への影響は軽微と見ているが、今期の業績への影響は見通せないとした。

今回調査でもっとも低下幅が大きかった業種は宿泊・飲食サービスだった。外出自粛や海外からの渡航禁止といった人の移動の制限は経済的なダメージが大きいが、感染拡大を防ぐにはやむをえず、経済界からも複雑な声があがる。

静岡商工会議所の酒井公夫会頭は「感染の拡大防止が最優先だが、それを徹底すると企業は立ち行かなくなってしまう。非常に難しい状況だ」と語った。県内の宿泊事業者でつくる静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合(静岡市)の担当者は「外出の手控えやイベント中止で宿泊客数が全県で大きく落ち込んでいる。長期化に耐える体力のない事業者が大半だ」と顔をくもらせる。

日銀静岡支店の竹内淳支店長は「先行きはひとえに感染拡大がいつまで続くかに依存する。中小企業への資金繰り支援や雇用調整助成金で『つなぐ』支援をしているが、問題はその期間がみえないこと。倒産が起こると元には戻れない」とした。

DIは景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた指数。274社を対象に実施し、273社から回答を得た。対象期間は2月25日~3月31日だが、3月19日までに9割以上を回収していて、海外での新型コロナ患者の急増や五輪延期の影響は「織り込まれていない」(竹内支店長)という。

6月の先行きDI(全産業)は13ポイント低下のマイナス23と予想した。

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