北海道の景況感7年ぶりマイナス圏、日銀短観

2020/4/1 18:30
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札幌市中心部の観光名所、大通公園も観光客の姿はまばらだ

札幌市中心部の観光名所、大通公園も観光客の姿はまばらだ

日銀札幌支店が1日発表した北海道の3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス7だった。マイナス圏への転落は2013年3月以来7年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で製造業や訪日客に支えられてきた観光業の不振が深刻で、先行きの景況感にも上向く兆しは見えない。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した割合を差し引いて算出する。北海道の製造業111社、非製造業344社の計455社から回答を得た。回答率は98.9%。

調査期間は2月25日~3月31日。3月中旬までに大半の企業が回答しているが、外出自粛を求めて北海道が出した緊急事態宣言の期間と重なり新型コロナの影響が色濃く反映された。

製造業は16ポイント低下のマイナス12、非製造業も15ポイント低下のマイナス6だった。両産業でともにマイナスとなるのは8年ぶりだ。1日、札幌市内で記者会見した日銀札幌支店の小高咲支店長は「新型コロナの影響でここまで業況が悪化するのは驚きを持って受け止めている」と話した。

非製造業では宿泊・飲食サービスが07年3月以降で最低となるマイナス75に落ち込んだ。前回調査と比べた落ち込み幅(マイナス87)も11年3月の東日本大震災後(マイナス35)や18年9月の北海道胆振東部地震後(マイナス38)を大きく上回った。小売も18ポイント低下のマイナス16だった。

北海道内の7ホテルグループは3月の売り上げが19年と比べて7~9割落ち込んだと明らかにしている。野口観光(登別市)も3月の売り上げは19年比で6~7割減るなど、訪日客の減少や外出自粛による飲食店の利用減などが響いている。

札幌市中心部のホテルの宿泊担当は「(五輪延期で)今年の夏の分はキャンセルになるため、大きな打撃になる」と話す。新型ウイルス感染拡大による外出の自粛で新規の予約も入りづらく、苦しい経営状態が続く。

製造業では中国を中心に感染が広がった国からの受注減や資材調達難が加速。飲食店や学校給食の需要減の影響を受けた食料品(マイナス21)や、金属製品(マイナス20)も悪化が目立った。

景況感の落ち込みには歯止めがかかりそうにない。20年6月の先行き業況判断DIは3月調査から12ポイント低下するマイナス19と予測。今回の企業の回答の大半は3月中旬に寄せられている。世界での感染拡大や東京五輪・パラリンピックの延期の影響はまだ反映されておらず、これらの要因も追い打ちとなるためだ。

トヨタ自動車北海道(北海道苫小牧市)では中国工場向けに加え4月生産分から北米向けなどでも減産を広げる。新型コロナの終息は見通せず、道内企業の多くが影響の長期化を懸念している。

外出自粛要請による経済への影響は深刻化の一途をたどるが、日銀の小高支店長は「需要を抑え込むことで感染拡大を防止しなければならないというフェーズにある現在においてはやむを得ない」と話す。景況感が上向く兆しは当面見えない。

(塩崎健太郎)

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