八ツ場ダム、本格運用を開始 管理支所が開所
国土交通省が群馬県長野原町に整備した八ツ場ダムが1日、本格運用を開始した。計画が発表されてから68年、建設賛否を巡る地元対立や政権交代による事業中断など複雑な経過をたどったものの、今後は下流の都県の洪水調整や利水などに活用する。同省は同日、ダム近くに「八ツ場ダム管理支所」を開所した。

八ツ場ダム整備事業は1952年、利根川の堤防が決壊した47年のカスリーン台風を契機に始まった。民主党政権下で工事が一時中断した。国内のダム事業として過去最大の約5320億円が投じられた。

同省はダムに水をためて安全性を確認する試験湛水(たんすい)を2019年10月に始め、3月9日で終了した。本格運用の開始に伴って同省の利根川ダム統合管理事務所に八ツ場ダム管理支所を設置した。
八ツ場ダムは多目的ダムで、大雨のときに水をためるほか、群馬県のほか下流域の都県の水道・工業用水の確保、発電を担う。19年秋に到来した台風19号など近年、豪雨災害が増えており、当初の建設目的である治水機能の強化につながるのか注目される。
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