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英大手銀、20年の配当中止 新型コロナで中銀が圧力

【ロンドン=篠崎健太】HSBCホールディングスやバークレイズなど英国の大手銀行は31日、2020年中の株主への配当を見合わせると一斉に発表した。新型コロナウイルス問題への集中を求める、英イングランド銀行(中央銀行)の要請に応えた。英金融当局は融資などの危機対応を優先させるため、監督権限をちらつかせて株主還元を取りやめるよう圧力をかけていた。

配当中止を発表したのは他にロイズ・バンキング・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、スタンダードチャータード。バークレイズは19年12月期の期末配当金の支払いが4月3日に迫っていたが、直前で撤回した。

背景には監督当局の圧力がある。イングランド銀傘下の健全性規制機構(PRA)は、企業などへの資金繰り支援の役割が求められる大手行に対し、配当や自社株買いを控えるよう働きかけていた。新型コロナ対策として銀行は自己資本規制の緩和や資金供給の拡大などを受けており、株主還元は政治的に許されないと判断したもようだ。

イングランド銀のウッズ副総裁は3月31日、大手行トップに書簡を送り「同意しなければ監督権限の行使を考える用意がある」と迫った。同日午後8時までに諾否を回答するよう求めていた。各社は配当のほか、計画していた自社株買いの棚上げも表明した。

欧州中央銀行(ECB)も3月27日、ユーロ圏の銀行に配当や自社株買いの中止を要請した。米国では08年のリーマン・ショック時に、多額の配当や役員報酬を払っていた大手行への公的資金による救済が批判された経緯がある。新型コロナで多くの企業が資金繰りに窮するなか、銀行の経営陣や株主にも応分の負担を求めるねらいがある。

イングランド銀は株主還元の中止に加え、幹部への現金による賞与支給の中止も「期待する」と検討を要求した。

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