景況感7年ぶりマイナス 短観、大企業製造業マイナス8

2020/4/1 8:52 (2020/4/1 9:19更新)
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日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス8になった。7年ぶりにマイナスに転落し、悪化幅も7年3カ月ぶりの大きさにだった。2019年12月のゼロから8ポイント悪化した。非製造業や中小企業の景況感も急速に落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞が影を落としている。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値。大企業製造業がマイナスになったのは日銀が大規模な金融緩和を始める前の13年3月調査(マイナス8)以来だ。QUICKが事前に集計した民間予測の中心値(マイナス10)は上回った。

悪化は5四半期連続になる。もともと米中貿易摩擦や大型台風の影響で悪化が続いていたが、新型コロナの問題でさらに落ち込んだ。悪化幅は12年12月調査(9ポイント)以来の大きさになった。

主要16業種のうち15業種で悪化した。新型コロナの世界的な感染拡大で需要が急激に落ち込んだうえ、サプライチェーン(供給網)の寸断による部品の調達難が生産活動の停滞を招き、造船・重機や生産用機械、鉄鋼などの悪化が目立った。

これまで比較的堅調だったサービス業の景況感も急速に落ち込んだ。大企業非製造業の業況判断DIはプラス8と12ポイントも悪化した。3四半期連続で下がり、悪化幅はリーマン・ショック後の09年3月調査(22ポイント)以来11年ぶりの大きさだった。

宿泊・飲食サービスは70ポイント悪化のマイナス59、レジャー施設などを含む対個人サービスも31ポイント悪化のマイナス6と厳しい落ち込みになった。インバウンド(訪日客)の急減や外出の自粛などが響き、いずれも悪化幅は04年3月の調査開始以来最大だった。19年10月の消費増税の影響が残る小売りも振るわなかった。

中小企業の景況感も一段と悪化した。製造業の業況判断DIは6ポイント悪化のマイナス15と、13年3月調査以来の低水準となった。非製造業も8ポイント悪化のマイナス1と14年12月調査以来の低水準になり、悪化幅は09年3月調査(13ポイント)以来の大きさだった。

新型コロナの感染者数は欧米を中心に増加が続き、国内でも終息の見通しは立っていない。経営環境の読みにくさを反映し、3カ月先の見通しを示す先行きの業況判断DIは、大企業製造業がマイナス11、非製造業もマイナス1とさらなる落ち込みを見込む。

今回の調査では回答基準日の3月11日時点で約7割の企業が回答した。今夏に予定されていた東京五輪の1年延期が決まった影響はさほど織り込まれていない。

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