FRB、海外中銀にドル供給 世界的なドル不足を緩和

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は31日、海外の中央銀行にドルを供給する緊急措置を発動すると決めた。米国債を一時的に買い入れて基軸通貨ドルを提供する仕組みで、ニューヨーク連銀に口座を持つ200以上の中央銀行や国際機関などが対象となる。世界的なドル不足を解消する狙いで、米国債の利回り低下にもつながるとみている。
FRBは日銀や欧州中央銀行(ECB)など14中銀とともに、海外の民間銀行にドルを供給する仕組みを持つ。今回は世界中の中銀を対象にドルを一時的に貸し出し、国際的なドルの供給体制を拡充する。FRBは国内外の取引窓口であるニューヨーク連銀を通じて米国債を一時的に買い入れ、翌日物のドル資金を供給する。当面は6カ月間の時限措置とする。
新興国や途上国を中心に、海外の中銀は資金流出で外貨準備が不足する懸念がある。手持ちの米国債を売却してドル資金を確保する動きが強まり、FRBはそれが世界的なドル不足をさらに強め、米国債市場が不安定になる一因とみる。そのため、米国債をFRBが海外中銀から吸い上げる仕組みを敷いて、市場の資金不足を和らげる緊急措置を発動することにした。

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