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ベテラン・新鋭、どう挑む…五輪延期で再スタート

2020/3/31 22:05
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東京五輪の1年延期が決まった。五輪を花道に定めていたベテラン勢に、好機が広がった伸び盛りの新鋭たち。思わぬウイルス禍に翻弄されながらアスリートたちが再スタートを切った。

スポーツクライミング女子の野口啓代(TEAM au、30)は東京五輪での現役引退を決めている。10年以上日本のトップとして世界と渡り合い、「追加種目入りが決まった時に『東京』までやろうと。なければもうやめていたかもしれない」。そう語り、五輪を最後の舞台に定めてきた。

クライミングのベテラン・野口は東京五輪延期を前向きに捉える=共同

クライミングのベテラン・野口は東京五輪延期を前向きに捉える=共同

来年への延期が決まった24日夜には「簡単には整理がつかない」とコメント。ただ、昨夏の世界選手権で2位となって手にした代表権は維持される見通しだ。長年緊張感にさらされてきた心身をリフレッシュし、集大成となるクライミングを磨き上げる猶予ができたともいえる。「大好きな競技生活を1日でも長く過ごせる」。延期を前向きに捉え、もう1年壁と向き合う決意を固めている。

12年ロンドン五輪で女子28年ぶりのメダル獲得に貢献したバレーボールの荒木絵里香(トヨタ車体、35)は14年に出産。その前年に決まった東京開催に「挑戦する立場になるとは思っていなかった」という。しかし、娘に自分の姿を見せたいと奮起し、いまは主将として代表を引っ張っている。「(東京の)先は考えていない。日の丸を付けて戦うのは最後」と話す荒木にとって、精神力が問われる1年になる。

まなじりを決するベテランとは逆に、新鋭には成長の好機となる。競泳男子平泳ぎの佐藤翔馬(東京SC)は前半から飛ばす攻めの泳ぎが売りの19歳。平井伯昌・日本代表監督がまな弟子だった北島康介氏に「集中力とガッツがそっくり」と評する逸材だ。

昨年の世界ジュニア選手権200メートルで2位。今年1月の北島康介杯では自己ベストを1秒63も縮め、元世界記録保持者の渡辺一平(トヨタ自動車)を破って優勝した。自己ベストだけを比較すれば渡辺とはまだ約1秒の差があり、現在は17年世界選手権銀の小関也朱篤(ミキハウス)に次ぐ国内3番手。各種目2人までの代表権獲得は厳しい立場だが、「去年から2秒縮められたのならまた2秒縮められると思う」。し烈な代表争いを一気にまくる勢いを秘めている。

平泳ぎの新鋭・佐藤はし烈な五輪代表争いに挑む=共同

平泳ぎの新鋭・佐藤はし烈な五輪代表争いに挑む=共同

体操では18年ユース五輪で個人総合など5冠の北園丈琉(大阪・清風高、17)が主役に躍り出るかもしれない。足先までそろった美しい演技で、五輪2連覇の内村航平(リンガーハット)になぞらえて「内村2世」と呼ばれる。昨夏の高校総体で負かした1学年上の橋本大輝(4月から順大)が世界選手権団体銅メダルに貢献した。「あの舞台に立てていたらあれくらいできたんじゃないかと自信になった」と北園。伸び盛りのホープが五輪のエースに脱皮しても不思議はない。

卓球男子の若きエース、張本智和(木下グループ)も伸びしろは十分だ。得意のバックハンドに加え、最近はパワーが必要なフォアハンドの強化にも取り組む。筋力トレーニングを重ね、フットワークやボールの回転量など、ライバルの中国勢と差のある部分を埋めている最中の16歳。ここからの1年は大きくプラスに作用するはずだ。

新鋭には成長の時間となる一方、不振にあえぎ五輪切符獲得に黄信号がともっていた競泳の萩野公介(ブリヂストン)、体操の内村といった金メダリストたちには復活へのチャンスが与えられたことにもなる。先に延びた開幕まで、多くのドラマが待っている。(西堀卓司)

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