夜の街、クラスター危険あらわ 「3つの密」重なる

2020/3/31 20:37
保存
共有
印刷
その他

自粛ムードで人通りが少ない銀座の並木通り(31日、東京都中央区)

自粛ムードで人通りが少ない銀座の並木通り(31日、東京都中央区)

ナイトクラブやバーで新型コロナウイルスに感染したと疑われる事例が東京都で多く判明し、夜の繁華街でクラスター(感染者集団)が発生する危険性があらわになった。こうした場所は感染予防のために避けるべき「3つの密」が重なるケースが多い。都市部を中心に利用自粛の呼びかけが広がっているが、感染拡大が続くなか、歯止めとなるかは不透明だ。

東京都の感染例を厚生労働省のクラスター対策班が調査したところ、キャバレーやナイトクラブ、バーなど酒場での感染が疑われる事例がこれまでに38人確認された。直近2週間の感染経路が分からない都内の感染者のうち、夜の繁華街に関連する事例は3割を占めるという。

感染者には若い店員や高齢の客が含まれ、年齢層は20~70代と幅広い。対策班の北海道大の西浦博教授は30日の記者会見で「積極的に対策を講じなければならない数の伝播(でんぱ)が始まっていると考えられる」と警戒感を強めた。

政府は集団感染のリスクが高いとして、(1)換気の悪い密閉空間(2)多数が集まる密集場所(3)間近で会話する密接場面――といった状況を避けるよう求めている。都の小池百合子知事は30日、バーやナイトクラブについて「『3つの密』が濃厚な形で重なる場となっている」と指摘、出入りを控えるよう求めた。

同様の動きは広がり、大阪府の吉村洋文知事は31日「大阪でも似たような状況にある」として、夜から早朝まで密室で接客する店の利用自粛を要請した。

自粛によって、感染者を抑える一定の効果も見込まれる。大阪府は春分の日(3月20日)からの3連休前、兵庫県との往来自粛を要請。両府県の新規感染者は27日までの1週間をみると、クラスター対策班の試算を大幅に下回った。一方、同様の提言を受けながら対応を見送った都は連休明け以降、感染者の急増に苦しんでいる。

ただ、歓楽街では接待の利用が控えられるなどして既に客が減っており、利用自粛の呼びかけはさらなる打撃となりそうだ。名古屋市のあるスナックは来店時に客に手の消毒を求めるなど対策を試みるが客足はまばら。経営する50代女性は「資金繰りはかなり厳しい。1日5千円でも売り上げがほしいが、営業を続けていいのか」と思い悩む。

新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化した事業者のために政府は1.6兆円規模の金融支援を決め、日本政策金融公庫が個人事業主や中小企業に実質無利子で運転資金を貸し出している。日本公庫への申し込みは23日時点で約4万6千件に上り、うち2万2千件で融資が実行された。担当者は「数日で融資を決定できるケースもある。スピード感を持って対応していきたい」と話す。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]