レオス藤野英人氏「SBI傘下入りはメリットが大きい」

日経ビジネス
2020/4/2 2:00
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藤野英人(ふじの・ひでと)氏。1966年生まれ。国内や外資の大手投資運用会社でファンドマネジャーを務めた後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用している。33歳の頃にぜんそくを患い、完全な下戸に。19年6月にフェイスブックで下戸が集まるグループ「ゲコノミスト」を立ち上げた。(写真:竹井俊晴)

藤野英人(ふじの・ひでと)氏。1966年生まれ。国内や外資の大手投資運用会社でファンドマネジャーを務めた後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用している。33歳の頃にぜんそくを患い、完全な下戸に。19年6月にフェイスブックで下戸が集まるグループ「ゲコノミスト」を立ち上げた。(写真:竹井俊晴)

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「藤野さん、どうしちゃったの?」「資金流出が続いているからついに逃げ出したのか」

3月31日午後、ネット金融大手SBIホールディングスが「ひふみ投信」などを運用するレオス・キャピタルワークスの株式を取得し、子会社化したことを発表すると、ツイッターなどのSNSには、個人投資家の「動揺」とも取れる書き込みが見られた。

レオスは日本人の資産運用に資する投信を作りたいと国内外の運用会社でファンドマネジャーを務めた藤野英人氏が立ち上げた独立系運用会社だ。リーマン・ショック直後の2008年10月に設定した看板投信の「ひふみ投信」は、日本の中小型株に厳選投資する運用方針で設定来の騰落率は300%を超える。好成績もあって、一時は個人投資家から多くの資金を集めた。

ひふみ投信で得た知名度をもとに、運用投信も拡大。地銀や証券会社通じて販売する「ひふみプラス」確定拠出年金制度で運用する「ひふみ年金」と、商品ラインアップも増やしている。最近では、日本株の厳選投資ノウハウを生かして、世界の成長企業に投資する「ひふみワールド」も立ち上げた。足元の運用資産は全体で約7000億円だ。

順風満帆に事業拡大してきたレオスだが、運用資産の急増で投資理念に沿った銘柄発掘が難しくなってきた局面もあり、成長速度が少しずつ鈍化していった。最近では利益確定を目的とした資金流出にも悩まされていた。そんな中での子会社化の話に、個人投資家が不安を覚えるのも無理はない。

発表後、日経ビジネスの取材に応じた藤野英人氏は「(子会社化は)親会社の意向も含まれている」と話す。レオスの株式は75%をISホールディングス(東京・千代田)、25%を藤野氏含む現経営陣が保有している。ISホールディングスは、IT事業、金融事業、不動産事業、カーシェアリングなど、様々な事業会社を傘下に収める会社で、レオスを創業当時からバックアップしてきた。

今回、ISがSBIにレオスの株式を売却する形で、レオスのSBI傘下入りが実現した。経営陣は変わらない。藤野氏は「今まで通り、顧客のためにファンドは運用する」と話す。

「ISとレオスの間に、事業シナジーはそれほどなかった。だからISは株式を売却したいと考えたのだろう。SBIは優良投信を得られて、我々レオスは販売チャネルを広げられる。親会社とのシナジーは今まで以上に生まれるはず。Win-Winの関係だ」。藤野氏は、レオスのSBI傘下入りは、メリットの方が大きいと強調する。

子会社化の話は、秋ごろ持ち上がったという。どちら側からもちかけた話か、藤野氏は明確にしなかった。「いったんは流れたと思っていたが、ここに来て突然話が進んだ」と、新型コロナウイルスによる事業環境の急変が、きっかけになったことを示唆した。

「新型コロナで金融業界は激変する。強い者と組むに越したことはない」。藤野氏は、様々なネット金融事業を傘下に収めるSBIグループのもとに入った方が、様々な事業拡大のチャンスが得られると判断したようだ。

SBIホールディングスは「第4のメガバンク構想」と称して、現在多くの地銀と資本提携関係を結んでおり、システムや商品供給などを通じて連携を強化しようとしている。こうした動きにレオスも乗ることができれば、投信販路の拡大、顧客基盤の強化といったシナジーが生まれるだろう。

(日経ビジネス 武田安恵)

[日経ビジネス電子版 2020年3月31日の記事を再構成]

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