新型コロナがJR北海道を直撃、6カ月で130億円減

2020/3/31 18:00
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21年3月期の業績見通しに新型ウイルスの影響額は織り込んでいない(札幌駅)

21年3月期の業績見通しに新型ウイルスの影響額は織り込んでいない(札幌駅)

JR北海道は31日、感染が拡大する新型コロナウイルスの影響額が1~6月で累計130億円に達するとの見通しを明らかにした。訪日外国人客の急減に加えて旅行や出張の自粛も続いており、同日発表した2021年3月期の事業計画にも織り込んでいない。暗中模索の1年となりそうだ。

3月の輸送実績は「快速エアポート」(札幌―新千歳空港)が前年同月比約5割減、都市間主要3線区の特急列車は約7割減に落ち込んだ。同社は新型ウイルスが4~6月期だけで鉄道運輸収入を83億円押し下げると試算しており、1~6月累計の影響額は130億円に達する。3月11日に1~3月で47億円の減収と見積もっていたが、影響は当面続くと覚悟する。

23日から段階的に始めた減便や編成車両を減らす「減車」も期間を延長する。4月24日~5月6日は特急「北斗」や「おおぞら」の減車を継続。札幌―旭川は10本、札幌―函館と札幌―帯広はそれぞれ4本の減便を続ける。札幌―東室蘭では4月24日のアイヌ文化を学べる民族共生象徴空間「ウポポイ」(白老町)オープンを見据えて減便は緩和するが、引き続き通常時(36本)より少ない28本態勢で営業する。

国交相から認可を得た事業計画で、JR北海道は21年3月期の業績見通し(単独ベース)は営業収益が20年3月期見通し比8%増の950億円、最終損益は24億円の赤字(20年3月期は30億円の赤字)と予想した。ただ新型コロナの影響は盛り込んでおらず、下振れの可能性をはらむ。

20年3月期の単独決算(速報値)は売上高にあたる営業収益が19年3月期比微減の878億円にとどまったもようだ。運賃上げのプラス効果で補えず、営業損益は522億円の赤字(同520億円の赤字)。最終損益は30億円の赤字(同213億円の赤字)と4期連続の赤字となった。

2月7日に公表していた見通しでは営業収益を924億円、営業損益を479億円の赤字、最終損益は7億円の黒字を見込んでいた。2~3月は新型コロナの影響で50億円の減収となっており、決算も直撃している。

JR北海道は21年3月期の事業計画の基本方針として、鉄道の競争力強化やコスト削減、開発・関連事業の推進を挙げた。快速エアポートの1時間5本への増強について、31日記者会見した島田修社長は「前半で効果を出すのは難しいが、打った策に間違いはない」と話し、将来の収益源として期待する姿勢は崩さなかった。

(高橋徹)

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