信越の雇用情勢判断、新型コロナ懸念で11カ月ぶり引き下げ

2020/3/31 17:11
保存
共有
印刷
その他

新型コロナウイルスが雇用に悪影響を及ぼす可能性が一層高まっている。長野労働局と新潟労働局は31日、新型コロナの影響で雇用情勢の判断を11カ月ぶりに引き下げた。2月の有効求人倍率も長野県内が3年5カ月ぶり、新潟県内は2年7カ月ぶりの低水準だった。世界的な感染拡大で収束がみえないなか、企業を取り巻く事業環境はますます厳しくなっている。

「宿泊業や飲食業では来客者の減少で今後雇用調整の可能性がある。製造業では中国からの部品調達で支障があり、休業などを検討している企業もある」。記者会見した長野労働局の梅田心一郎職業安定部長は、新型コロナの影響への警戒感をあらわにした。

両県とも、足元の新型コロナの感染拡大は今後の雇用に影響を与えかねないとして雇用情勢の判断を引き下げた。長野は「堅調に推移してきたところ、国内外の新型コロナの影響等について十分注意する必要がある」とし、新潟は「県内の雇用情勢は改善が進んでいるものの、求人に弱い動きが見られる中で、新型コロナが雇用に与える影響に十分注意する必要がある」に見直した。

有効求人倍率(季節調整値)は長野県が前月比0.03ポイント低下の1.45倍だった。有効求人数(同)は2%減の4万6756人、有効求職者数(同)は横ばい圏の3万2162人だった。新潟県は求人倍率が0.04ポイント低い1.49倍。有効求人数は3%減の5万774人で、有効求職者数が1%減の3万3970人だった。

長野県の新規求人数(実数値)は、前年同月比13%減の1万6632人で12カ月連続の減少となった。業種別では、その他を含む13業種のうち12業種で減った。長引く米中貿易摩擦による受注減や暖冬に伴う観光客の減少などが経営に響き、企業の求人意欲は減退ぎみだ。新潟県は1万8754人で14%減った。2月時点で新型コロナの影響はほぼみられないというものの、今後さらに加速する可能性が高まっている。

労働局の新型コロナ関連の特別相談窓口には27日時点で、長野県には1885(複数回答)件、新潟県には1617件の相談があった。うち、両県とも雇用調整助成金に関する相談が大半を占めた。ただ、解雇・雇止めに関しては新潟で26件、内定取り消しは8件の相談があった。新潟労働局によると、解雇・雇止めはない一方で、学卒の内定取り消しは1人が確認されているという。

長野県の解雇・雇止めに関する相談は33件、内定取り消しが4件あったが、ともに実態は確認されていない。中原正裕長野労働局長は「雇用調整助成金などの相談に乗りながら、(雇用の)維持確保の働きかけをしていきたい」と話した。新型コロナの収束は依然見通しが立っていないなか、信越企業の苦しい経営環境は続く。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]