新興企業の資金調達、コロナが直撃 アジア大幅減

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スタートアップGlobe
コラム(テクノロジー)
2020/4/3 2:00
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 新型コロナウイルスの感染拡大が、スタートアップなど未公開市場の資金調達にも影響している。CBインサイツによると、1~3月期の資金調達は世界で落ち込んでおり、中でもアジアでの減少幅が大きかったようだ。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、旅行や医療、サプライチェーン(供給網)は大規模な混乱に陥り、世界の金融市場は深刻な打撃を受けている。

影響はスタートアップ企業の資金調達にも及んでいる。

2020年1~3月期の未公開市場の資金調達額は770億ドルとなる見通しだ。前四半期比では16%以上、前年同期比では12%近くそれぞれ減少する。

今回のリポートでは、新型コロナの感染拡大が世界の未公開企業の資金調達にどれほど影響を及ぼすかについて注目する。

新型コロナ、未公開市場の資金調達に影響
(世界の未公開企業への投資額、18年1~3月期から20年1~3月期)

新型コロナ、未公開市場の資金調達に影響
(世界の未公開企業への投資額、18年1~3月期から20年1~3月期)

20年1~3月期に見込まれる前四半期比の減少幅は、四半期ベースではこの10年間で2番目に大きい。最も大きかったのは12年7~9月期の36%減だった。

ただし、アジアの落ち込みは他の地域よりも激しく、20年1~3月期は前四半期比35%減少する見通しだ。

アジアの未公開市場の資金調達に打撃
(未公開企業への投資額、18年1~3月期から20年1~3月期)

アジアの未公開市場の資金調達に打撃
(未公開企業への投資額、18年1~3月期から20年1~3月期)

同様に件数も減っているが、特に打撃が深刻なのはアジアだ。世界の資金調達件数は前四半期比で20%減となる見通しなのに対し、アジアの調達件数は40%減るとみられる。

未公開市場の資金調達件数も減少
(世界の未公開企業による資金調達ラウンドの件数、18年1~3月期から20年1~3月期)

未公開市場の資金調達件数も減少
(世界の未公開企業による資金調達ラウンドの件数、18年1~3月期から20年1~3月期)

足元のアジアの状況は過去の感染症流行時のトレンドに似ている。

例えば、重症急性呼吸器症候群(SARS)とジカ熱の流行時には、アジアと中南米の未公開市場の資金調達額はそれぞれ2ケタ減少した。

■今後の見通し

各社は供給網の修復や事業運営のための新たなテクノロジーに注目している。例えば、小売り各社は顧客のニーズを満たし続けるために、供給網の可視化を手がけるスタートアップに目を向けつつある。

それでも、過去の感染症流行が有効な指標になるとすれば、年内は未公開市場の資金調達は減少し続けるだろう。

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