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富士山大噴火、降灰で首都圏のインフラ停止も 停電・断水

富士山(奥中央)。右下は国立競技場=共同

富士山の大規模噴火に伴う火山灰の影響を検討している政府の中央防災会議作業部会は31日、首都圏の被害想定を初めて公表した。最悪の場合、7都県で鉄道や車の運行ができず、停電や断水が起き、インフラの機能停止状態に陥るという。長期化すれば社会的な混乱につながりかねず、政府による早急な対策が今後求められる。

富士山は噴火を繰り返し、直近では1707年の「宝永噴火」が知られる。同年12月16日に発生し、小康状態を挟んで16日間続いたとされる。

作業部会がまとめた報告書案によると、宝永噴火と同じ規模の噴火が起き、風向きが西南西で雨が降った場合、首都圏での降灰量が多くなり、影響が最も大きい。

例えば、東京都新宿区では噴火15日目までに灰が10センチ程度積もる。全体として処理が必要な火山灰の総量は計約4億9千万立方メートルに上り、東日本大震災の災害廃棄物の約10倍に当たる。

事前対策や復旧作業をしなかった最悪の場合では、噴火の3時間後に東京都心でも停電や鉄道の運休が発生。15日後には降灰のため7都県の広範囲で鉄道が運休し、四輪駆動車以外の車が道路を通行できなくなる区域も出るとしている。

一時滞留者や人口の多い地域では少量の降灰でも食料や飲料水などの買い占めが起こるほか、灰が水源に入り込むことによる水質悪化に浄水施設の処理が追いつかず、断水が発生するという。

雨が降り10センチ程度の灰が積もった都心で懸念されるのがインフラの機能停止だ。

報告書案によると、地上を走る鉄道は微量の灰でも車輪やレールの通電不良により運行できなくなり、車は道路に灰が10センチ以上積もるとスリップして通行不能となる。その結果、物流が滞り、生活物資を手に入れるのが難しくなることも想定される。食料などの買い占めは少量の灰でも起こるとみられる。

倒木で電線が切断したり、絶縁体に灰が付着したりして停電が起こり、通信障害が引き起こされる可能性があり、浄水施設が停電すれば断水の恐れも生じる。灰の重みで木造家屋が倒壊する恐れがあるのは、静岡、山梨の他、神奈川北部から東京の一部までを含む。

報告書案は「都市機能が集積している地域では、降灰時に通常の生活や経済活動は継続困難であることを前提に対応を検討する必要がある」と指摘している。

首都圏のように高度に都市化された地域が大規模な降灰被害を受けた例はこれまでなく、政府や自治体による対策は進んでいない。作業部会が4月上旬に報告書として正式に取りまとめた後、政府は具体的な対策の検討を進める方針だ。

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