Kyash、46億円調達 金融サービス拡大
スマートフォン決済などを手がけるKyash(キャッシュ、東京・港)は31日、米国のベンチャーキャピタル(VC)などから46億5千万円を調達したと発表した。同社はクレジットカードや銀行口座とひもづけたプリペイド式の決済アプリを手がける。開発体制を強化し、決済以外の金融サービスに乗り出す。

米グッドウォーター・キャピタルやグリーンスプリング・アソシエイツ、英グレーハウンド・キャピタルなどの海外VCや、国内VCのジャフコなどを引受先とする第三者割当増資を実施した。キャッシュは2015年設立で、19年夏にも15億円を調達している。
同社は「Kyash」のサービス名でオンライン決済や個人間送金ができるアプリを提供するほか、VISA加盟店で利用できるプリペイドカードを発行している。カードを使った決済は1%のポイント還元があり、利用者を増やしている。
顧客基盤を生かし、決済や送金以外にも金融サービスの幅を広げる。必要な許認可の取得に向け、調達した資金でセキュリティーを強化する。具体的には、現在は労働基準法で認められていない電子マネーでの給与受け取りが解禁されるのを見据え、アプリが受け皿の一つになるように準備を進めているという。
同社は銀行サービスをスマホを軸に提供する「デジタルバンク」を目指している。今後は個人の資産管理などを手がけることも見込まれる。