米J&J、新型コロナのワクチン供給へ 21年初めにも - 日本経済新聞
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米J&J、新型コロナのワクチン供給へ 21年初めにも

(更新)

【ニューヨーク=西邨紘子】製薬大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は30日、新型コロナウイルスの予防ワクチンの提供を2021年初めにも始めると発表した。臨床試験(治験)を9月までに開始できる見通しで、並行して大量供給に向けた準備を進めているという。米アボット・ラボラトリーズは27日、同社の小型分子診断機器が新型コロナ向けで米当局の緊急使用許可を受けたと発表した。業界を挙げた取り組みが加速している。

J&Jは感染病向けワクチンの開発・生産で世界大手。新型コロナ向けワクチンの開発は1月に着手し、動物実験などで有望候補の絞り込みを進めていた。3月半ばの時点で同社の研究開発担当トップは治験開始時期の見込みを11月と話しており、前倒しで開発が進んでいるもようだ。実用化したワクチンは非営利事業として低価格で供給する方針。生産能力は早期に年間10億本まで引き上げることが可能とみている。

J&Jは同日、米国生物医学先端研究開発局(BARDA)と連携し、ワクチン開発に10億ドル(約1070億円)を共同出資することも発表した。

世界各地で新型コロナの感染が広がる中、製薬各社がワクチンの早期実用化を急いでいる。米バイオ企業モデルナと米国立衛生研究所(NIH)は16日、米ワシントン州で開発中の新型コロナのワクチンの治験に入ったと発表した。

一方、アボット・ラボラトリーズは27日、同社が販売する分子診断機器「IDNOW」が新型コロナウイルス診断への使用で米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)を受けたと発表した。陽性の場合は5分程度、陰性は13分程度で結果が判明する。数時間~数日かかっていた従来の検査手法に比べ大幅な時短につながる。

同機器は大きさがトースター程度、重さは3キロ弱で簡単に持ち運びできる。従来、インフルエンザ検査など用に販売しており、このほど新型コロナ診断能力を加えた。アボットは「一般の診療所や病院以外の場所などで短時間の検査が可能になる」と説明している。新型コロナ用の検査薬は1日5万本の生産能力を見込む。

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