富士山噴火なら7都県で鉄道停止 政府の被害想定

2020/3/31 12:00
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富士山は過去に噴火を繰り返してきた

富士山は過去に噴火を繰り返してきた

富士山の大規模噴火に伴う首都圏への影響や対策を議論する政府の中央防災会議の作業部会は31日、報告書案をまとめた。最悪の場合、対象とした7都県で地上を走る鉄道の運行が停止し、首都圏で大規模な交通網のまひや停電などによる「社会的混乱が発生する」と指摘。市民生活や経済活動への深刻な影響が懸念され、政府は今後、具体的な対策を検討する。

富士山は過去に噴火を繰り返し、直近では1707年の「宝永噴火」が知られる。同年12月16日に発生し、小康状態を挟んで16日間続いたとされる。

報告書案で作業部会はまず、宝永噴火と同規模の噴火が起きた場合、風向きによって降灰の分布や量にどのような違いが出るかを推計した。

その結果、風向きが西南西で雨が降った場合に首都圏で降灰量が多くなり、最も影響が大きかった。東京・新宿では噴火15日目までに灰が10センチ積もるなどとしている。

処理が必要な火山灰の総量は計約4億9千万立方メートルに上り、東日本大震災で発生した災害廃棄物の約10倍に当たる。

過去の火山噴火による被害状況や実験結果などを基に、降灰によるインフラなどへの影響も分析。事前対策や復旧作業をしなかった場合、最悪のケースでは、噴火の3時間後に東京都心でも停電や鉄道の運休が発生。15日後には降灰のため、7都県の広範囲で鉄道が運休、四輪駆動車以外の車が道路を通行できなくなる区域も出るとした。

降灰によるその他の影響として、一時滞留者や人口の多い地域では、少量の降灰でも食料や飲料水などの買い占めが起こるとした。灰が水源に入り込むことによる水質悪化に浄水施設の処理が追いつかず、断水が起こる可能性も挙げた。

作業部会は「降灰範囲は噴火の規模、噴火時の風向きや風速により大きく変わる」とした上で、「都市機能が集積している地域では、降灰時に通常の生活や経済活動は継続困難であることを前提に対応を検討する必要がある」と指摘した。

国や自治体が事前に広域にわたる降灰などを見据えた防災計画を定めることが必要だと強調した。インフラ事業者や有識者とも連携し、被害軽減や社会的混乱抑制のための具体的な対策の検討を進めるよう求めた。

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