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中国・万達、トライアスロン運営会社を売却へ 800億円で

【大連=渡辺伸】中国の商業不動産大手、大連万達集団(ワンダ・グループ)は30日までに、トライアスロン運営会社のワールド・トライアスロン・コーポレーション(WTC)を売却すると発表した。売却額は7億3千万ドル(約800億円)。資金繰りの改善が目的とみられる。

万達のグループ会社でスポーツ事業を手がける万達体育(ワンダ・スポーツ)が、米メディア関連企業のアドバンス・パブリケーションズに売却する。売却は4~6月に完了する見通し。

WTCは「アイアンマン」の名称で、世界50カ国以上でトライアスロンやマラソン、自転車レースなどの大会を運営している。万達体育は売却後もライセンス契約により中国でのイベント運営を継続する。

万達体育は2015年、6億5千万ドルでWTCを買収した。中国人の間で高まる健康志向に対応し、スポーツ事業を拡大する一環だった。

19年7月には、競技運営や放映事業を拡大するため、米ナスダック市場に上場した。しかし、米メディアによると、5億ドルを想定した資金調達は半分以下にとどまったもよう。万達体育によると、上場に伴う費用負担が利益を押し下げ、19年7~9月期は約37億円の最終赤字だった。

さらに今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大でスポーツイベントが軒並み中止になるなど、事業環境が悪化していた。万達体育は売却で得る資金のうち、2億3千万ドルを負債の返済に充てるとしている。

万達グループは12年以降、米映画館チェーンのAMCエンターテインメントをはじめ海外企業を相次ぎ買収した。しかし、外貨流出を懸念した中国政府の融資制限により資金繰りが逼迫し、19年までに1300億元(約2兆円)を超す資産を売却している。

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