関電、榊原会長就任を発表 内向き体質崩せるか

2020/3/30 19:09
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関西電力は30日、役員らの金品受領問題を受けた業務改善計画を経済産業省に提出した。主な柱は第三者委員会の提言に沿った会長職への外部人材の登用で、榊原定征・前経団連会長(77)を迎えると正式発表した。6月の株主総会を経て就任する。榊原氏は第三者委の調査報告書で問題の根本的な原因とされた「内向き体質」の改革に取り組む。

同日に記者会見した榊原氏は「今般の問題は信頼を損なうゆゆしき事態で危機的状況だ。遅くとも2年ほどで信頼を回復できるよう全力を注ぎたい」と強調した。同席した森本孝社長は「改革のため指導、監督をお願いしたい」と述べた。

榊原氏は経団連会長時代に原子力発電所の再稼働に理解を示していたうえ、原発推進の姿勢を維持する国のエネルギー政策を議論する総合資源エネルギー調査会で会長を務めている。原発依存度の高い関電の姿勢を理解しつつ、意見する存在として格好の人材だった。

関電が第三者委の報告書を受け取る前から、外部から会長を招き経営の透明性を高める必要があるとの指摘が社内外から出ていた。同社は水面下で候補者を探し、森詳介前相談役が中心的な役割を担って、数人の候補に断られたあと、榊原氏から応諾を得たもようだ。

もっとも榊原氏は、電力会社の実務を熟知しているわけではない。原発がある福井県高浜町の元助役(死去)と30年超もの金品受領関係を築き、自ら開示することのなかった関電の隠蔽体質の壁も厚い。

東京電力は福島第1原発事故後の2012年、弁護士出身の下河辺和彦氏が会長に就き、巨額の賠償債務を抱えた東電のかじ取りを担った。関電の経営は危機にひんしているわけではなく、経営陣や社員の意識改革にはより強い指導力が求められる。「お飾り」では消費者の信頼回復は遠い。

業務改善計画にはガバナンス強化につながる指名委員会等設置会社への移行、調達の透明性を審査する委員会の新設などを盛り込んだ。今後はこうした施策の着実な実行が急務になる。

関電は原発を経営の柱に据え、今夏以降に3基の再稼働を目指している。社会的に原発への批判が根強いなか、再稼働には福井県からの同意が必要だ。関電の信頼回復の成否は、再稼働を推進する国のエネルギー政策にも直結する。

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