鴻海、3期連続減益 19年最終11%減 新型コロナで今期も逆風

2020/3/30 18:46
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【台北=伊原健作】電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が30日に発表した2019年12月期連結決算は、純利益が前の期比11%減の1153億台湾ドル(約4100億円)だった。中国での人件費上昇などで収益性が低下し、3期連続で最終減益となった。新型コロナウイルスの感染拡大で今期も逆風が強い。

鴻海が中国に構築した製造網に逆風が強まっている(10年、広東省深圳の工場)=ロイター

純利益は英調査会社リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均(10%減益)とほぼ同じだった。売上高は5兆3428億台湾ドルと1%増を確保した。米アップルのスマートフォン「iPhone」に加え、データセンター向けのサーバーなど多様な電子機器の受託生産需要を取り込んだ。

だが本業の稼ぐ力を示す営業利益は16%減で、採算性の低下に苦しんでいる。中国で70万~100万人とされる従業員の人件費高騰や、スマホの生産受注を巡る競争激化が足かせとなっている。

鴻海は昨年、傘下のスマホ製造会社で配置転換や不採算受注の削減などの構造改革を進めた。その効果もあり、19年7~9月期は3四半期ぶりに営業利益が前年同期を上回った。ただ、今回発表した10~12月期は2割の営業減益に落ち込んでおり、収益構造の改革はなお道半ばだ。

20年12月期は新型コロナも逆風になる。市場は前期比2%の最終減益を見込んでいる。今月3日に開いた投資家向け説明会で、劉揚偉董事長(会長)は生産網の混乱で1~3月期は15%強の減収になるが、4~6月期は急回復すると表明。今月22日には、中国の主要工場で生産が正常化したとアピールした。

ただ、劉氏は「需要が落ち込めば、影響の規模は予測がつかない」とも述べた。電子機器の主要市場である米欧で感染拡大が本格化し、生産よりも需要が減退する懸念が大きくなっている。

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