トランプ氏、4月12日目標撤回 月末まで行動制限延長
政権内の専門家、「死者10万人規模」警告

2020/3/30 16:59 (2020/3/30 23:11更新)
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は29日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため全国民に呼びかけていた行動制限を4月末まで延長すると表明した。4月12日までに経済活動を一部再開させる青写真を描いていたが、政権内の専門家から10万人規模の死者が出ると警告され、目標を掲げてからわずか5日後に撤回を迫られた。

現行の指針は10人超の集まりや外食などを全国民に自粛するよう求めている。3月30日が最終日だったが1カ月延ばす。

トランプ氏は死者数が「今後2週間でピークを迎える可能性がある」と述べ、3月24日に言及した復活祭(4月12日)までの経済再開が難しい現状を認めた。目標日を掲げたのは「単なる願望だった」と釈明した。

前のめりのトランプ氏を説得したのは、政権の新型コロナ対策本部に加わる専門家だ。国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は29日の記者会見で「多くの試算が(制限緩和という)拙速を避ける今回の決断につながった」と明かした。

ファウチ氏は発表に先立ち米テレビで「死者が10万~20万人に上る」可能性に触れた。科学者として発言に慎重を期す同氏が、あえて衝撃的な最悪シナリオを示したのは強い危機感の表れだ。

トランプ氏は会見で「6月1日までに多くの素晴らしいことが起こるだろう」と"予告"したが、感染拡大のペースが緩む兆しはまだ見えない。米ジョンズ・ホプキンス大によると、米国の感染者は14万人を超えて世界最多で、死者も約2500人とここ数日間で急速に増えている。

新型コロナウイルスの感染者が急増する欧州でも行動制限を延長・強化する動きが出ている。フランスのフィリップ首相は27日、すでに全土で実施している外出制限を少なくとも4月15日まで延長すると発表した。死者数が中国を超え世界最多となったイタリアでも4月3日までだった行動制限の延長論が浮上している。英国も全土での自宅待機を指示した。

スペインではこれまで職場や病院に行く場合などを除き全土で外出禁止としてきたが、30日から4月9日まで必要不可欠な業種を除き出勤も控えるよう指示した。

ほかの地域でも対策が相次ぐ。これまでエジプトでは31日まで国内の全空港を閉鎖するとしていたが、4月15日までの全てのエジプト行き航空便の運航停止を決めた。

シンガポールも23日夜から全ての国・地域からの旅行者の入国を禁止するなど対策を拡充している。

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