「急病で頼る人なし」28% ひきこもり、孤立が深刻
急病などで困った時に頼れる人がいない――。ひきこもりの人の28.3%が深刻な孤立状態にあることが、経験者らでつくる一般社団法人「ひきこもりUX会議」(東京)の実態調査で分かった。「ひきこもっていることがつらい」との回答も58.1%に上り、同会議は「ひきこもりは甘えと見られがちだが、大半が生きづらさを抱え、苦しんでいる」としている。
調査は昨年10~11月、ひきこもりの当事者や経験者らを対象にインターネットや書面で実施。有効回答は1686人で、うち940人が「現在ひきこもり状態にある」とした。「これだけ多くの当事者の声を集めた調査は例がない」(同会議)という。
ひきこもり状態にある人は30代が36.1%で最も多く、40代(27.1%)、20代(24.2%)が続いた。平均期間は10.6年で、年代が高いほど長い傾向にあった。ひきこもり状態は「とてもつらい」が29.1%、「つらい」が29.0%で、約半数が「生活費に困っている」とした。
ハローワーク、地域若者サポートステーションなどの就労支援サービスや、行政機関のサービスには、全体の9割近くが課題を感じていると回答。自由記述には「ハローワークで説教された」「話を聞いてもらえなかった」などが寄せられた。
林恭子代表理事は「苦しい中で、せっかく窓口にたどり着いても、より深く傷ついてしまう。支援者には研修や講習でひきこもりへの理解を深めてほしい」としている。〔共同〕