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テーマ型に革命「Oneフォーカス」(話題の投信)

有望な分野に低コストで投資したい――。そんな個人投資家の要望に応えて開発されたのが「テーマ型インデックスファンド」だ。アクティブ型(積極運用型)とインデックス型(指数連動型)の長所を併せ持つ投資信託で、国内では2018年ごろからシリーズで投入する運用会社が増え始めた。

アセットマネジメントOneが今年1月に創設した「Oneフォーカス」シリーズは、「次世代通信」や「ロボット・テクノロジー」などのテーマで投資対象銘柄を選ぶ5本のファンドを運用している。注目は年0.495%(税込み)という信託報酬の低さだ。主要なテーマ型アクティブファンドの年1%台後半を大幅に下回るだけでなく、競合他社の類似シリーズ(年0.8%前後)と比べても低い(図表1)。

信託報酬、低さのワケは?

「Oneフォーカス」のコストが安いのは、指数会社に支払うフィー(手数料)を抑えたことが一因だ。採用したのは独ソラクティブ社が提供する指数で、同社は「フラットフィー」(運用残高によらない固定金額の手数料制)の採用など、革新的で柔軟な料金体系をとることで知られている。ソラクティブ社は高度なテクノロジーを駆使した正確で迅速な指数算出なども武器とし、近年資産規模の大きい機関投資家からの採用を増やしている。

アセットマネジメントOneとソラクティブ社は、単位型ファンド「プライムOne」シリーズの指数算出などで接点を持ち、以前から信頼関係を築いてきた。それが「Oneフォーカス」での指数採用につながり、安いインデックスフィーでの妥結に成功。信託報酬を分け合う販売会社とも協議を重ね、低コストの実現にこぎつけた。

新タイプの指数開発、インデックス運用が可能に

テーマ型ファンドは、特定分野の銘柄に集中投資するのが特徴。いろんな銘柄を一緒くたに投資するよりも、長期的な成長が期待できそうなテーマに絞るほうが有利と考える投資家から人気を集めている。ただし、従来のテーマ型はアクティブ運用がほとんどで、銘柄選別に費用や手間がかかる分だけコストも高くなる難点があった。

そこに「革命」を起こしたのがテーマ型のインデックスファンドだ。テーマに沿った銘柄で構成する新しいタイプの指数が次々と開発され、機械的なインデックス運用ができるようになった。国内の主なテーマ型インデックスファンドシリーズは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Neo」、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「SMT MIRAIndex」、三井住友DSアセットマネジメントの「イノベーション・インデックス」などがあり、いずれも「Oneフォーカス」とは指数会社が異なる。

品ぞろえ・運用実績が今後の課題

信託報酬の安さで競合他社に差をつけた「Oneフォーカス」だが、今後は品ぞろえの拡充が課題の一つ。現在運用しているのは「次世代通信」、「AI」、「フィンテック」、「ミレニアルズ」、「ロボット・テクノロジー」の5本。魅力的なテーマに投資できるファンドを増やし、販路拡大と普及に力を入れる。

目に見える運用実績を上げていくことも重要なポイントだ。Oneフォーカスの「ロボット・テクノロジー」に採用している指数と、世界の株価の動きを示す「MSCIワールド指数」を比較したところ、過去のパフォーマンスは良好だった(図表2)。

「ロボット」や「AI(人工知能)」といったテーマは、他社の類似シリーズにも採用されている。同じテーマでも指数会社が違えば、実際に組み入れる銘柄や比率はそれぞれ。今後は各指数が紡ぎ出すパフォーマンスの良しあしが実績で試されそうだ。

テーマ型インデックスファンドは銘柄数を絞った分、指数の動きが大きく振れやすい点には注意したい。アセットマネジメントOneの商品担当者は「低コストのテーマ型インデックスファンドの広がりは投資家ニーズをさらに満たすことになる」と意欲的。個人が長期の資産形成に活用しやすいファンドとして定着していくかどうか、今後の動きに注目だ。

(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)

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