福島の仮設、鹿児島・沖永良部島の集いの場に 資材活用

2020/3/29 18:20
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東日本大震災で被災した人たちが一時身を寄せ、使われなくなった福島県会津若松市の仮設住宅が、約1500キロ離れた鹿児島県の沖永良部島の複合商業施設に生まれ変わった。過疎化が進む島に若者が集う場をつくり、発生から9年が経過した震災の記憶を伝えようと民間グループが解体資材を運び再活用した。

ログハウス型仮設住宅の解体資材で建設された複合商業施設と福山大洋さん(26日、鹿児島県・沖永良部島)=共同

島東部の和泊町中心部にある約1700平方メートルの敷地に、カフェや美容室など4店舗が入るテナント棟と、計8室を備えたコテージ型宿泊棟2棟が並ぶ。木のぬくもりを感じる客室からは、雄大な太平洋が一望できる。

2月中旬までに順次オープンしたこれらの施設は、会津若松市で約6年間使われたログハウス型仮設住宅の解体資材で作られた。島の人口は昨年末時点で約1万2千人と30年前の4分の3程度。国内外からダイビング客らが訪れるが、若者向けの飲食店や宿泊施設が少ないとの声もあった。

現状を変えたいと考えた和泊町の建設会社社長、福山大洋さん(44)は、仮設住宅資材を再利用する取り組みをしていた福島県南会津町の建設設計事務所と連携し、2018年に共同プロジェクト「結ログ」を設立。福島県から無償で資材を譲り受けて島に運んだ。

天井を高くしたり屋根の上に植物を植えたりと、商業施設としての雰囲気づくりにこだわる一方で、入居していた子どもが壁に貼っていたシールなど生活の痕跡を残した部分もある。資材の輸送費などを加えても、総工費は通常の資材を使う場合と比べて7~8割程度に抑えることができた。

週末は町の若者や観光客でにぎわい、建物に触れて被災者に思いをはせる人も。奄美大島や沖縄本島での展開を見据える福山さんは「再利用されず処分される仮設住宅は多い。全国にノウハウを伝えていきたい」と話す。

〔共同〕

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