子どもの視力が最低に、機械測定を一部導入へ 文科省

2020/3/29 17:42
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ランドルト環と呼ばれる「C」マークを使った検査では視力は分かるものの、視力低下の原因が詳しく分からない

ランドルト環と呼ばれる「C」マークを使った検査では視力は分かるものの、視力低下の原因が詳しく分からない

小中高校生の視力が悪化し続けていることを受けて、文部科学省は2021年度以降に一部の学校で機械による視力測定を導入して視力悪化の詳細の分析に乗り出す。広く学校で用いられている「C」マークを読み取る検査方法ではわかりにくい乱視の有無といった詳しい状態を調べる。分析結果を踏まえ、視力低下を防ぐための対策を盛り込んだ資料作成も目指す。

同省が19年度に実施した学校保健統計によると、裸眼視力が1.0未満の子どもは小学生で34.57%、中学生が57.47%、高校生が67.64%で、いずれも過去最悪だった。

学校では原則としてランドルト環と呼ばれる「C」マークを使った検査を行っている。この方法では視力は分かるものの、視力低下の原因が詳しく分からない。

このため同省は一部の小中学校などの協力を仰ぎ、機械による視力検査を導入する。近視や遠視、乱視など視力低下の状況を調べ、スマートフォンの利用状況といった生活習慣の調査結果との相関関係を調べるという。

調査は20年度に行う計画だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施が難しくなり、文科省は21年度以降に実施したい考えだ。

経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)によると、日本の15歳は授業でIT機器を使う頻度は加盟国中で最低水準だが、1人用ゲームで遊んだりチャットをしたりする頻度は平均を上回る。学校外で1日4時間以上インターネットを使う割合は平均より低いが、18年は17%と12年から7ポイント増えた。

学校現場でも、20年度からはデジタル教科書の普及や、小学校でのプログラミング教育の必修化など、子どもがパソコンやタブレット型端末を使う機会が広がる見込みだ。一部の学校関係者からは「視力悪化の原因にならないか」という懸念もあり、同省はより科学的な対策をとれるような態勢作りを目指している。

日本眼科医会の常任理事で眼科医の加藤圭一医師は「子どもの視力低下の原因で一番多いのは近視だろう。乱視や遠視、精神的な影響も考えられる」と話す。近視のはっきりとした原因は分かっていないが、外遊びをよくする子どもは近視が進行しなかったり、スマートフォンの使用が悪影響を与えたりする可能性が指摘されているという。

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