28日の安倍晋三首相の記者会見要旨
安倍晋三首相の記者会見要旨は次の通り。
【緊急事態宣言】
新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るっている。日本も短期間で同じ状況になるかもしれない。最大限の警戒をお願いする。
小池百合子東京都知事らが重大局面にあるとし、夜間休日の外出自粛などを要請した。自治体の呼び掛けへの協力をお願いする。自治体との緊密な連携の下、最悪の事態を想定しながら、感染拡大防止に全力を尽くす。
日本は欧米と異なり、ぎりぎり持ちこたえているが、気を緩めればいつ急拡大してもおかしくない。この闘いは長期戦を覚悟する必要がある。
今の段階では緊急事態宣言はないが、ぎりぎり持ちこたえている。瀬戸際の状況が続いている。現時点で、新型コロナウイルスとの闘いが終わるのかを答えられる世界の首脳は一人もいない。私もだ。緊急事態宣言に至ることも想定して経済対策を策定する。
【学校再開】
新学期からの学校再開に当たり、文部科学省がガイドラインを示した。来週もう一度、専門家会議を開き意見を聞く。前の決定にこだわってはならない。専門家の判断が変わることはあり得る。
【経済対策】
厳しい状況の経済情勢に思い切った手を打つ。政府対策本部で緊急経済対策策定を指示し、2020年度補正予算案を10日程度で取りまとめる。速やかに国会提出する。
中小事業者に新しい給付金制度を用意する。生活に困難を来す恐れのある家庭に給付を実施する。ターゲットを置いて行うべきだ。かつてない強大なパッケージを練り上げ、実行に移す。財政、金融、税制を総動員する。リーマン・ショック時を上回るかつてない規模の対策を取りまとめる。
感染拡大が抑制された段階で、旅行や運輸、外食、イベントなどを対象に、短期集中で大胆な需要喚起策を講じる。V字回復を目指す。
消費税は全世代型社会保障改革を進める上で必要な税だ。経済政策は効果がなければならない。なるべく即効性があるものがいい。
【治療薬】
インフルエンザ薬「アビガン」で症状改善に効果が出ているとの報告もある。新型コロナウイルス感染症の治療薬として正式承認に必要となる治験プロセスを開始する。
【東京五輪】
この夏に照準を合わせて頑張ってきたアスリートには大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ。世界の現状を踏まえ、理解いただきたい。日本に来た聖火は、私たちの直面している長く暗いトンネルの出口へと人類を導く希望のともしびだ。人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、必ずや成功させたい。
【衆院解散】
(解散・総選挙の時期に関し)今は一切、頭から外して感染症との闘いに集中したい。
〔共同〕

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