トランプ氏、GMに人工呼吸器生産命令 トヨタは専門メーカーの生産支援

2020/3/28 21:45
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【ワシントン=鳳山太成、ニューヨーク=中山修志】トランプ米大統領は27日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、新型コロナウイルス患者の治療に必要な人工呼吸器を生産するよう命令した。大統領権限で非常時に企業活動を指示できる「国防生産法」に基づく。GMは同日、医療機器メーカーと組んで生産を始めると表明した。トヨタ自動車は同日、人工呼吸器メーカーの増産を支援すると発表した。

トランプ氏はGMを繰り返し批判してきた=AP

GMの部品工場で生産する人工呼吸器

トヨタが生産する医療機関向けの簡易フェースガード

GMには生産や出荷で、連邦政府の発注を優先する義務が生じる。トランプ氏は命令文書で「GMは時間を浪費している」と批判し、契約など手続きを迅速に進めるよう求めた。

GMはトランプ氏の命令に先立ち、インディアナ州の電子部品工場に呼吸器の生産設備を導入すると発表した。4月から月間1万台のペースで生産する。医療機器メーカーのベンテック・ライフ・システムズと組む。

トランプ氏は18日、呼吸器やマスクなど新型コロナへの対応に必要な医療品を確保するため、1950年の朝鮮戦争下に成立した国防生産法を発動した。ただ実際に企業に具体的な命令を出すのはためらっていた。

トランプ氏は命令に先立ち、ツイッターで「GMは4万台を『とても迅速に』供給すると言っていたのに、4月下旬にたった6千台だという。しかも最高の代金を求めている」と一方的に主張し、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)を名指しで非難していた。

一方、トヨタ自動車は27日、人工呼吸器のメーカーの増産支援を始めると発表した。人工呼吸器のメーカー2社と連携して部品供給や物流の支援を手掛けるほか、専用の窓口を設けて他の医療機器メーカーの協力要請にも応じる。また、米国の工場の3Dプリンターを利用して来週から、医療用の簡易フェースガードを生産する。テキサス州やインディアナ州、ケンタッキー州などの病院に配布する。全米で不足しているマスクの生産準備も進めており、フィルターの供給先を探しているという。

米国の自動車産業ではフォード・モーターも人工呼吸器メーカーに部品や素材を供給して増産支援に乗り出している。電気自動車(EV)大手のテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)もアイルランドの医療機器大手メドトロニックと連携し、同社が開発・設計した人工呼吸器の生産を請け負う考えを明らかにしている。テスラは新型コロナウイルスの影響で一時閉鎖しているニューヨーク州の太陽電池の工場を再稼働させて人工呼吸器を組み立てる方針だ。

一方で、マスク氏は喫緊のニーズに応えるため、既存のメーカーなどから購入した数百台の人工呼吸器をニューヨーク市の病院などに寄付し始めたことも明らかにした。

感染者が多いニューヨーク州などで呼吸器が足りないとの不満が強まっている。トランプ氏がGMに対して国防生産法に基づいた命令を出した背景には、連邦政府として呼吸器の確保に注力する姿勢を示すことで、批判をかわす狙いもありそうだ。

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