大阪府知事、週末の外出自粛呼びかけ 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪府の吉村洋文知事は27日、今週末は不要不急の外出を控えるよう府民に要請した。府では同日、1日では最多となる20人の感染が確認され、計176人となった。20~22日の3連休に兵庫県との往来自粛を呼びかけたが、感染経路が不明のケースが増えていることなどから、より踏み込んだ措置が必要と判断した。
吉村氏は27日夜の記者会見で、この日判明した20人のうち18人の感染経路が不明であると説明し「徐々に市中感染が広がっている」と述べた。
府によると、検査件数のうち陽性だった件数の割合を示す「陽性率」が27日は14.4%だった。ここ数日は1桁で推移していた。吉村氏は、陽性率が40~50%になれば緊急事態宣言を考える必要があるとの認識を示した。
外出自粛を求めるのは現時点では28、29日の両日だけだが、近く新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、感染者数の推移を見た上で追加の対策も検討する。吉村氏は「感染者がこのまま増え続ければ、近隣の府県と協議して往来をどうするか検討したい」と述べた。
府民の反応は様々だ。大阪市天王寺区の男性会社員(26)は「仕方ない」とあきらめ顔。毎週末、妻と車で買い物に行くが、今週はネットショッピングに切り替えるといい「家で映画でも見ながら過ごしたい」と話した。
堺市の男性(47)も「花見はできないかもしれないが、早く収束させてから遊びに行く方がみな安心できるはず」と話した。
一方、大阪市北区の女性会社員(27)は28日に友人と名古屋市に遊びに行く予定。「平日の企業活動は通常通りなのに、週末だけ家でおとなしくしろというのはおかしい。自粛にも疲れを感じているので息抜きがしたい」と話す。
大阪市阿倍野区のパート従業員の女性(36)は「どこまでが不要不急なのか」と首をかしげる。自宅マンションに併設された商業施設に娘(5)を連れて行くつもりで、「家に閉じ込めると子どものストレスがたまる」と話した。