業務上横領罪、時効で免訴 過去の判決例と異なる判断

2020/3/27 18:01
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代表取締役を務めていた会社から現金を横領したとして業務上横領罪に問われた男性(50)に、東京地裁は27日までに時効が完成しているとして免訴の判決を言い渡した。犯行の実態から、同罪より短い単純横領罪の時効が適用されると判断したためだが、過去の地裁判決例とは異なる考え方だ。検察側は控訴するとみられ、今後の上級審の審理が注目される。

男性は取締役退任後の2012年7月、会社幹部だった男と共謀し、経理担当者に指示して約2400万円を会社から別の口座に振り込ませたとして、19年5月に起訴された。弁護側は送金に関わっていないとして無罪を訴えたのに加え、時効の完成も主張していた。

今月26日の判決で日野浩一郎裁判官は、男性には業務上横領の共同正犯の犯罪事実が成立すると指摘。しかし、男性自身は取締役退任後で「業務上」には当たらないとして、量刑は単純横領罪の範囲とすべきだとし、さらに時効も業務上横領罪の7年ではなく単純横領罪の5年を適用した。

量刑についての考え方は過去の最高裁判例とも矛盾しないが、時効についてはこれまで最高裁判例はない。同様の事件で02年7月の東京地裁判決は「共同正犯が成立する以上、時効は業務上横領罪の刑によるのが相当」だとしている。

大東文化大の山本紘之教授(刑法)は「罪名だけを形式的に見るのではなく、実際に科され得る刑罰を基準にして時効を決めるという考え方は理解できる。罪名と科刑が異なるという最高裁判例自体に問題があると言え、これを機に議論していくべきだ」と話した。

〔共同〕

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