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豊島逸夫の金のつぶやき

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悲惨な新型コロナ医療現場、今こそESG投資の出番

2020/3/27 12:52
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日米株価が急反騰中だ。しかし上昇相場特有の高揚感は感じられない。

ニューヨークの医療現場は悲惨だ。隣室の父の最期を家族が見とれない。医療用マスクから防護服に至るまで極端な不足状態なので、医者の立場では、入室しようとする家族を制止せざるを得ない。人間として「苦渋」を超えた決断と語っていた。

ニューヨーク州のクオモ知事は、今や全米最大のホットスポットとなった同州で連邦政府が送る人工呼吸器などの数が絶対的に少ないと憤る。緊急医療室で誰が先に死ぬのか決めるのは連邦政府のあなた方だ、とまで記者会見で語った。同じニューヨーク市内でもコロナ対策の「2兆ドル予算」をはやす株式市場と、惨状ともいえるコロナウイルス禍の現場の温度差が鮮明だ。

「自宅待機で時間を持て余し投資を始めた。しかし、こういう状況で、株で儲かっても、素直には喜べない」と本音を打ち明ける個人投資家もいる。

これは、日本にとって今や他人事ではない。コロナ感染拡大カーブを見れば、米国のほうが日本の先を行く状態になっている。それでも日本株は、申し訳なさそうに上がっている、と見えるのは筆者の主観ゆえか。

こういうときこそ、株を買うなら、ESG(環境・社会・企業統治)投資を実践すべきであろう。人命を守ることに資するという意味で「ESGプラスL」と「Life」も加えてみたらどうか。ただひたすら「上がりそうなお宝株を物色」では、一般人から見ても「やっぱり株はカジノ」で終わってしまう。

なお、米国では、今回のコロナ対策予算のなかの企業支援について、救済ないし緊急融資を受ける企業には、自社株買いと配当を禁じ、従業員解雇を規制し、さらに実業家のトランプ大統領を意識して特定の利害関係を廃することを明記している。予算の位置づけも、今回はあくまで「緊急支援予算」であり、通常の「景気刺激予算」とは一線を画する。米政府は全米の州を高リスク、中リスク、低リスクと分け、封鎖などの規制を緩和して、経済復興にも配慮する案を提示している。経済へ軸足を移したいと焦る気持ちがおさえられないようだが、トランプ大統領への風当たりは激しい。

一般的には「恐慌か、人の命か」は究極の選択と議論されるが、そのようなことはお構いなしに、マーケットの現場ではアルゴリズム取引が、機械的に売買注文を発動してゆく。人間は、今こそ社会的に責任ある投資姿勢を強く前面に打ち出すときであろう。

豊島逸夫(としま・いつお)

 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com

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