菊水化学元常務に有罪判決 塗料データ漏洩事件で名古屋地裁

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社会・くらし
2020/3/27 10:18
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日本ペイントホールディングス(大阪市)の建設用塗料のデータを競合する菊水化学工業(名古屋市)に漏らしたとして、不正競争防止法違反罪に問われた同社元常務、橘佳樹被告(66)の判決が27日、名古屋地裁であった。吉井隆平裁判長は懲役2年6月、執行猶予3年と罰金120万円(求刑懲役4年、罰金200万円)を言い渡した。

名古屋地裁の庁舎(名古屋市中区)

公判ではデータが同法が定める営業秘密に当たるかどうかが争点となった。弁護側はこれまでの公判で、データが特許公報に記載されている公知の事実だったと主張。「情報管理体制がずさんで、営業秘密として管理されていたとはいえない」と訴えていた。

検察側は「特許公報を読んでも具体的な配合の情報までは特定できない」と反論。パスワード付きで管理されていたデータが漏洩したことで菊水化学が同じ性能の塗料を販売できたとして、「経済的価値の高い情報が競合他社に活用された結果は重大だ」と指摘していた。

判決理由で吉井裁判長は、塗料のデータがパスワード付きの閲覧システムで管理されていることなどから営業秘密に当たると判断。「日本ペイントHDで執行役員などの重職を務めた経歴がありながら職務上の地位を悪用した利欲的な犯行であり、刑事責任は軽視できない」と述べた。

判決によると、橘被告は日本ペイントHD子会社に在籍していた2013年1月ごろ、建設用塗料の原料や配合のデータを複製。菊水化学に転職後の13年4月ごろと8月に複数の社員に書面やメールで渡した。弁護側は控訴する方針。

日本ペイントHDは17年7月、菊水化学の一部製品の製造や差し止めなどを求める訴訟を起こし、東京地裁で係争中。

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