S&P、メキシコを格下げ 新型コロナ影響で
【メキシコシティ=丸山修一】米格付け会社S&Pグローバル・レーティングスは26日、メキシコの外貨建て長期債について、格付けを従来の「トリプルBプラス」から「トリプルB」に引き下げた。2019年にマイナス成長を記録するなど経済活動が停滞する中、新型コロナウイルスの影響で、今年以降の成長率がさらに下振れる可能性が高まった。

中期的な見通しを示すアウトルックも「ネガティブ」とした。18年12月に就任したロペスオブラドール大統領の下、メキシコシティに建設中だった新空港を中止した他、外貨獲得を進めていた油田鉱区の入札も無期限で停止した。政権に対する企業の信頼感が薄れ、投資が落ち込んでおり、雇用や消費にも影響している。19年は10年ぶりのマイナス成長になった。
今年に入っても投資に回復の兆しが見えない中で、新型コロナが追い打ちをかけている。最大の貿易相手国である米国の経済も落ち込みが避けられない。原油価格の下落で、国営石油会社ペメックスの経営も打撃を受けており、政府の財政状態にも影響を与えることが懸念されている。

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