新型コロナ対策、企業支援へ3段構え 自民税調が異例の開催

税・予算
2020/3/27 1:30
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自民党税制調査会(甘利明会長)は26日、幹部会合を開き、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対策の検討を始めた。経済の落ち込みで影響を受けた企業への支援を重心に置く。まずは中小の倒産を防ぐ資金繰り支援を急ぐほか、固定資産税の減免など法改正の必要な負担軽減策を詰める。収束後を見据えて成長投資や構造改革を後押しする方策も議論し、切れ目なく支援を打ち出す。

自民党税制調査会の幹部会合を終え、記者会見する甘利明会長(26日、国会内)

自民党税制調査会の幹部会合を終え、記者会見する甘利明会長(26日、国会内)

党税調は例年、年末の与党税制改正大綱の策定に向けて10月から12月ごろに開催するのが慣例だ。政府が4月に新型コロナの世界的な感染拡大による緊急経済対策をまとめるのを受け、税制支援策を反映させるため異例の開催となった。

甘利氏は26日の幹部会合後、記者団に「定期的な会合以外の開催は、リーマン・ショックや東日本大震災以来だ。政府も経済対策の編成速度を上げて取り組んでおり、税調もしっかり取り組む」と語った。

安倍晋三首相は緊急経済対策について「雇用を維持するための支援をしっかりしていきたい」と繰り返している。党税調は1年以上を見据えた支援を打ち出して企業の不安感払拭をめざす。

支援策は緊急度合いに応じて3段階で講じる。足元では倒産や廃業の危機に直面している中小・零細企業の資金繰りを支援するため、法改正が必要なく速やかに実行できる税制措置を練る。

消費税や法人税などの納付を猶予できるようにする方針だ。納付期限までにお金を用意できず、税負担で事業の維持が難しくなる中小・零細企業を主な対象に原則1年猶予する案が浮上する。口頭だけで申請することを認め手続きも簡略化する方向だ。現行法の解釈で素早く対応できる。

事態の長期化を踏まえた負担軽減策は、今国会での税制改正関連法案の提出・成立を見据える。納税猶予では納めていない日数に応じてかかる延滞税を免除する案が出ている。

固定資産の減税措置の拡大も柱だ。中小が生産性向上につながる設備に投資すると固定資産税が3年間ゼロになる制度がある。対象を広げ、建物にかかる固定資産税も減税対象にする案が有力だ。固定資産税は地方税で地方自治体の重要な財源のため、減税で落ち込む地方の税収を補う措置を練る。

新型コロナの収束後、経済の回復に向けて、企業に成長投資や構造改革を促す税制上の方策も協議する。中国などに集中した生産拠点やサプライチェーン(供給網)を国内に再編する企業の投資を法人減税で支援する案が浮上している。

甘利氏は26日、記者団に「サプライチェーンを特定の国に一極依存しないことが極めて重要だ。中国にプラス1、2、あるいは国内回帰の必要性は十分認めている」と強調した。

新型コロナの感染拡大過程では、サプライチェーンを中国などに集めていた企業の事業が滞る事例が相次いだ。工場の国内移転など拠点の再構築には検討に時間を要するため、早めに減税措置を打ち出し企業が計画を立てやすくする狙いだ。

感染の広がりを受けて従業員の出社を抑制する企業が増加している。税調ではテレワークを推進する企業への税制上の支援も議論する方向だ。

当面の検討課題を打ち出し、具体策は年末まで協議して2021年度税制改正に盛り込む見通しだ。来年の通常国会で関連法案を提出する段取りを描く。

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