三菱ふそう、20年代後半までに燃料電池車を量産

2020/3/26 16:49
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三菱ふそうトラック・バスは26日、水素を燃料とする燃料電池(FC)トラックを2020年代後半までに量産すると発表した。環境保全にも対応しつつ長距離の走行も可能なFCを導入し、二酸化炭素(CO2)削減に向けた取り組みを進める。環境対応車として電気自動車(EV)とともに将来的には二本柱とする方針で、実用化に向け研究開発を加速する。

26日に燃料電池小型トラックのコンセプトカー「eCanter F-Cell」を公開した

三菱ふそうはEVでは17年に電動小型トラック「eキャンター」を発売し、これまでに日米欧で150台以上を販売してきた実績がある。FCは19年の東京モーターショーでコンセプトモデルを公開。それをもとに改良したモデルを26日明らかにした。航続距離は300キロメートルを目標にする。またアプリケーションによっては最大1000キロメートルまで伸ばすこともできるという。

試作車を通じてトラックでの燃料電池技術の可能性を模索していき、量産化に向けて、小型、大型などセグメントの選定・開発を検討していく。普及を優先するためにも、「顧客にとって手が届く、経済的に成り立つような価格にする必要がある」(ハートムット・シック社長)とし、独ダイムラーグループのリソースを活用して開発費用などの削減を目指す。

三菱ふそうは親会社のダイムラーと足並みをそろえて、39年までに日本国内で投入する全ての新型トラックやバスをCO2を排出しない車両にする方針を掲げる。「複数の技術を検討し、バッテリーと水素駆動が環境保全と自動車業界の変革に対応できる」(シック社長)と位置づけ、EV、FCの2本に絞って開発を前進する。

EVは貨物を長距離で運ぶ大型トラックでは、バッテリーの重さで積載量を犠牲にしてしまう。一方、都市部での配送などには効率が良い。EVは都市配送などで使いながら、FCは長距離での移動向けと用途にあわせて提案することで、顧客ニーズをうまく補完する考えだ。

3月にトヨタ自動車日野自動車が、日野の大型トラックをベースにしたFCトラックの開発を始めたと発表した。ホンダいすゞ自動車も大型トラックの共同研究を始めた。充填拠点などインフラ整備などの課題は残る。今後、厳しくなる環境規制をクリアしたうえで、長距離を支障なく営業走行できる輸送車として注目される。(岡田江美)

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