人工呼吸器の増産で異業種がタッグ、規制緩和が後押し

BP速報
2020/3/26 11:31
保存
共有
印刷
その他

日経クロステック

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、重症患者の治療に欠かせない人工呼吸器の需要が急増している。旭化成は2020年3月25日、子会社の米ゾール・メディカルが人工呼吸器の生産数を月間1万台に増やすと発表した。現在の約25倍の生産数に相当するという。

異業種の自動車メーカーも人工呼吸器の製造支援を相次いで始めた。米ゼネラル・モーターズ(GM)は3月20日に人工呼吸器を製造する米ベンテック・ライフ・システムズに部品を供給すると発表した。

米フォード・モーターも支援を開始する。3月24日、人工呼吸器を製造販売する米GEヘルスケアと連携することを発表した。簡易化した人工呼吸器をGEヘルスケアの拠点だけではなく、フォード・モーターの拠点でも製造する可能性があるという。

さらにフォード・モーターは米スリーエムと連携し、電動ファン付きの呼吸用保護具(PAPR)の製造にも着手する。PAPRは電動ファンで利用者に清浄な空気を送る顔全面を覆うタイプのマスク。新型コロナウイルス感染症患者の治療や看護を担当する医療従事者らの着用を想定している。自動車の冷却用のファンやフィルター、バッテリーなどの部品を応用し、フォード・モーターのミシガン州の拠点でPAPRを製造する。他にも、顔を保護するプラスチック製のフェース・シールドを、3Dプリンターを活用して週に10万枚以上製造するとしている。

人工呼吸器が不足する状況を踏まえ、米食品医薬品局(FDA)は3月22日、人工呼吸器関連の製造に関する規制を緩和するガイダンスを発表した。企業が既存の部品から変更して製品を製造したり、製造ラインを柔軟に追加したりできるようになった。

自動車メーカーなどの製造ラインを人工呼吸器用に転用できるのもこのためだ。通常は、承認を受けた医療機器の部品や製造方法を変更するには手続きが必要で時間がかかる。さらに同ガイダンスでは睡眠時無呼吸症候群を治療するための医療機器を人工呼吸器として転用する案なども提示している。

(日経クロステック/日経デジタルヘルス 高橋厚妃)

[日経クロステック 2020年3月25日掲載]

保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]