社会人、小学校教員になりやすく 文科省が試験見直し

2020/3/25 18:45
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大学などの教職課程を修了していない社会人が合格すると小学校教員の免許を得られる「教員資格認定試験」について、文部科学省は2020年度実施分から体育、音楽などの実技をなくすなどして受験者の負担を軽くする。試験の日程も半分に短縮する。小学校教員の採用倍率が低迷するなか、社会経験がある人材を広く教育現場に呼び込みたい考えだ。

教員資格認定試験は高校を卒業していれば受験でき、合格すると小学校教員の2種免許状(短大卒相当)が得られる。取得後に自治体や学校法人の採用試験に受かれば、小学校の教員として働ける。

試験が始まった1973年の受験者数は約6千人だったが、最近は減少傾向が続き19年度は780人にとどまった。

こうした状況を受け、文科省は受験者の負担を軽減する。試験はこれまで1~3次の3段階あり、計6日間かけて実施していたが、20年度からは2次試験までの計3日間に短縮する。

図画工作のデッサン、体育のサッカーのドリブル、音楽のピアノ伴奏をしながらの歌唱といった実技試験もやめる。文科省は「教員自身の実技能力より児童にうまく教えられるかどうかの方が大切だ」(教育人材政策課)とする。

理想の教師像などを口頭で述べる口述試験は待ち時間も長いことから論述式の試験で代え、教員としての使命感や責任感を測る。一方、実践力を試す2次試験では従来の指導案作成やグループ討議に加え、模擬授業も課すことにした。

文科省は社会人経験のある教員を増やすことで、学ぶことが将来の仕事や生活にどう生かせるかを児童に伝えたり、地域や企業などと連携したりすることができる人材を確保したい考えだ。

教員のなり手不足の解消にも役立てる。18年度に全国で実施された公立小学校の教員採用試験は競争率が全国平均で2.8倍と過去最低だった。高年齢層の教員の大量退職で採用枠が拡大していることや、民間企業の採用が好調であることの影響とみられる。

教員資格認定試験について、文科省は「実技の負担などから敬遠されてきた可能性がある。教員になりたい人に幅広く受けてもらえるような試験にする」(同)としている。

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