不動産評価ミスで過大課税 損賠請求巡り最高裁初判断

2020/3/25 17:11
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不動産評価の誤りで固定資産税を納めすぎた場合、その損害賠償請求ができなくなる期間はいつから始まるのかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(宇賀克也裁判長)は「毎年度の納税通知書が交付された時から始まる」との初判断を示した。判決は24日で、裁判官4人全員一致の意見。

民法は不法行為から20年たつと賠償請求権がなくなる「除斥期間」を定めている。今回の訴訟ではその起算点となる「不法行為の時」がいつなのかが争われていた。不動産評価の誤りが発覚するケースは多くはないが、建築から長期間過ぎた後に評価ミスが明らかになった場合でも、不動産の所有者は払いすぎた税金の一部を取り戻せる可能性がある。

原告は1980年代に建築された建物を持つ東京都内の一般社団法人。建築当初の誤った不動産評価に基づき、固定資産税などを毎年過大に課されたとして、都に納めすぎた税金に相当する額の賠償を求めて2013年に提訴した。二審判決は建築当初に建物の価格の評価ミスをした時点から除斥期間が始まるとして、訴えを退けた。

第3小法廷は判決で、「不動産評価を誤った時点では誰が損害を受けるかが不確定で、誤りは後から修正される可能性もある」と指摘。誤りが修正されないまま所有者に納税通知書が交付された時点で初めて具体的な損害が発生するとして、各年度の納税通知書が所有者に交付された時点で除斥期間が始まると判断した。

その上で、原告の請求権の一部は提訴時点で除斥期間が経過していない可能性があるとして二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。

24日はほぼ同じ争点の別訴訟の上告審判決もあり、第3小法廷は同様の判断を示して審理を大阪高裁に差し戻した。

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