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新型コロナが促す生活変革(編集長コラム)

昨年末に90歳で亡くなった歴史人口学の第一人者、速水融氏が2006年に書いた「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ」(藤原書店)は、日本でこの問題を本格的に扱った数少ない本の一つです。

同書によると、1918年に猛威を振るったスペイン・インフルエンザにより、日本国内では約45万人が亡くなりました。関東大震災をはるかに上回る死者が出たわけです。

それにも関わらず「日本はこの災禍からほとんど何も学ばず、45万人の生命を無駄にした」と速水氏は指摘します。疫病の大流行に際し、医学上の対応のみならず、市民生活を維持するにはどうすればよいかなど、当時の教訓は次代に生かされてきませんでした。

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。この災禍が収束したあとに、日本そして世界は何を学び、社会はどう変わるのか。その姿はまだ見えてきません。

しかし生活のあり方に何らかの変化をもたらすのは間違いなさそうです。その変革を担うのはどこか。今週の日経ヴェリタスのカバー特集では、そんな問題意識から、逆風下で生活変革を促す企業を分析しました。

3月中旬、沖縄県のある小学校で「アバター(分身)による水族館への遠足」が行われました。水族館側に設置された遠隔操作ロボットが分身になって水槽の前を行き来し、こどもたちは外出しないままにジンベイザメなど水族館の生き物を見学できます。

仕掛けたのはANAホールディングスです。航空会社が人の移動を前提にしない事業に乗り出す。こうした「非常識」が今後相次ぐかもしれません。新たな変化の芽をカバー特集から探っていただければと思います。

今週から始まった編集委員のコラム「Compass」は「コロナが解き放つ円高の呪縛」です。新型コロナの感染拡大を契機に外為市場で進む構造変化と今後の展望についてベテラン記者が解説します。

同じく新設のESG(環境・社会・企業統治)面では、社会や環境への貢献をテコにマネーを吸引する企業を取りあげました。ESG投資の源流はキリスト教や公民権運動にあったという興味深い話も紹介しています。

(日経ヴェリタス編集長 橋本隆祐)

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