サムスン、次世代装置でメモリー量産 生産性2倍に
【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子は25日、半導体生産の主要工程に次世代露光装置「EUV」を使った量産ラインを稼働させたと発表した。半導体メモリーでEUVを活用するのは世界で初めて。生産技術の世代交代は約20年ぶりとなる。サムスンは「従来技術に比べてメモリーの性能が高まるうえ、生産性が2倍に向上する」としている。

ソウル近郊の華城(ファソン)事業場のDRAM生産ラインにEUV装置を導入し、最先端のメモリー製品を100万個単位で出荷し始めた。年内には平沢(ピョンテク)事業場にも同様の量産ラインを設ける予定。サムスンはメモリー最大手。同業2位の韓国SKハイニックスは2021年にDRAMラインにEUV装置を導入する計画だ。
露光装置はシリコンウエハーに半導体の回路を形成する重要な工程を担う。サムスンは現在主流の「ArF」と呼ばれる露光技術を00年代初頭に導入した。ただ半導体の性能を左右する回路線幅の微細化はArFでは限界に近づいていた。サムスンは次世代のEUV技術を用いることで、他社に先駆けて高性能な半導体を量産する。
EUV装置は、CPUなど演算用半導体の分野ではすでに台湾積体電路製造(TSMC)や米インテルが採用を進めている。データ保存に使う半導体メモリーでの採用はサムスンが初めて。
EUV装置はオランダの装置メーカー、ASMLが生産しており価格は1台100億円を超える。投資余力のある半導体メーカーは限られており、サムスンは新技術の導入で競合メーカーを引き離す狙いだ。
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