米与野党、「過去最大」2兆ドルの経済対策で合意

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北米
2020/3/25 14:25 (2020/3/25 15:54更新)
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25日中にも上下両院で可決し、早期成立を目指す=AP

25日中にも上下両院で可決し、早期成立を目指す=AP

【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権と与野党の議会指導部は25日未明(日本時間同日午後)、新型コロナウイルス対策として2兆ドル(約220兆円)規模の景気刺激策で最終合意した。同日中にも上下両院で可決し、早期実施を目指す。4月をめどに家計に現金を給付するほか、企業支援にも9000億ドルを充てる。国内総生産(GDP)の10%にあたる巨額対策で、景気の底割れ回避を目指す。

共和党のマコネル上院院内総務は25日、「家計と企業に巨額資金を流し込む歴史的な対策で合意した」と主張した。野党・民主党のシューマー上院院内総務も「医療体制の整備にも1300億ドルを充てる」と合意の意義を強調した。共和党は上院で過半数を握るが、下院は民主党が多数を占める。ペロシ下院議長は24日に「下院も上院の景気対策を速やかに承認する方向だ」と述べた。

対策規模の2兆ドルは米GDP(21兆ドル)の約1割に相当し、2008年の金融危機後の経済対策(7000億ドル)を大きく上回る。24日に記者会見したクドロー国家経済会議(NEC)委員長は「単独の経済対策としては過去最大だ」と強調した。景気対策に盛り込む法改正で「米連邦準備理事会(FRB)に新たに4兆ドルの資金供給能力が生まれる」とも指摘。景気刺激効果は6兆ドル分に達すると主張した。

具体的には大人1人あたり最大1200ドルの現金を給付する。新型コロナで経済活動が大きく制約され、家計は一時帰休や無給休暇などで手元資金が薄くなる可能性がある。現金を直接支給して、家賃や食費など生活費を緊急支援する。失業給付の拡大なども盛り込んだ。

企業支援には約9000億ドルを充てる。当初予定の5000億ドルから大幅に積み増した。飲食・宿泊など新型コロナが直撃する産業向けに5000億ドルの融資枠を設け、航空会社には300億ドルを資金支援する。中小企業の給与支払いに充てる緊急資金としても3670億ドルを用意した。

民主党は巨額の企業支援に「労働者を優先すべきだ」と主張してきたが、24日の協議では政府資金を(1)経営者の報酬増に使わない(2)自社株買いに充てない(3)使途は議会が監視する――などの条件で合意した。

米国は4~6月期の経済成長率が戦後最悪の2桁のマイナス成長になるとも予測される。ただ、新型コロナの感染拡大が止まれば「米景気は急回復できる」(トランプ大統領)。そのためには資金ショートを防いで企業倒産と失業増を防ぎ、経済の基盤を維持する必要がある。家計と企業への大量の資金供給で、景気のV字回復を狙う。

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