中学でプログラミング教育拡充 デジタル人材育成で後れ

2020/3/25 10:02
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2021年度から全国の中学校で使われる教科書の検定結果が25日までに公表され、技術などでプログラミング教育の内容が拡充された。人工知能(AI)社会の本格的な到来を見据え、デジタル人材を増やす狙いだ。しかし学習内容やハード面の整備では海外に比べて遅れが目立つ。専門家は「民間などのノウハウを活用して育成を強化すべきだ」と指摘する。

プログラミングに関する記述が盛り込まれた技術・家庭の教科書

チャットシステムを作ってみよう――。ある教科書会社は技術の教科書に、友達や家族とコンピューターネットワークでメッセージを交換するシステムづくりを載せた。

21年度から中学校で実施される新しい学習指導要領は、入力と応答の「双方向性」のあるコンテンツによる課題解決の体験を求めている。各社がこれに沿って生徒が取り組みやすいような実習例をふんだんに盛り込んだ結果、技術の教科書の平均ページ数は現行より26%増えた。

数学でも「箱ひげ図」や累積度数など、データの活用に関する学習を拡充した教科書が目立った。中学生の読書時間や1500メートル走の記録を題材にデータ分析の仕方を学ぶ内容などで生徒の興味をひき付けようと工夫を凝らしている。

文部科学省はデジタル人材の育成を急いでいる。小学校では20年度からプログラミング教育を必修化。高校でもプログラミングを含む「情報1」を22年度に必修にする。大学では全学生にAIの基礎を学ばせる方針だ。

現状は厳しい。経済協力開発機構(OECD)が18年に各国・地域の15歳を対象に実施した学習到達度調査(PISA)では、日本は授業でデジタル機器を使う頻度がOECD加盟国で最低水準だった。

全国の公立小中高校などに配備されている学習用コンピューターも19年3月時点で児童生徒5.4人につき1台にとどまる。文科省は23年度までに小中学校で1人1台の整備を目指す。

海外の小中学校段階では英国のイングランドが14年から「コンピューティング」、ロシアは09~10年から「インフォルマティカとICT」という教科で、プログラミングを学ばせている。

東北大の堀田龍也教授(教育工学)は「日本は先進国中、IT(情報技術)教育で最も遅れている国の一つ。ITを使った指導のノウハウがある民間企業などと連携し、環境を整える必要がある」と話している。

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