WeWork、社債利回り36% 外出制限で資金繰り懸念も

2020/3/25 4:50
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新型コロナで資金繰り懸念が再燃しているウィーワーク=ロイター

新型コロナで資金繰り懸念が再燃しているウィーワーク=ロイター

【ニューヨーク=大島有美子】シェアオフィス大手「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーの社債利回りが大幅に上昇(価格は下落)している。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて二大拠点のカリフォルニア州やニューヨーク州で外出制限が相次ぎ発表され、利用収入の急減が懸念されている。市場で社債の売りが増え、利回りは一時36%に上昇した。社債による資金調達は困難で、資金繰り懸念が一段と強まっている。

利回りは16日まで17%程度だったが、外出制限で事業環境が悪化するとの懸念から急騰した。この社債は2018年4月発行で、25年に償還される。発行当初の金利は年7.875%だったが、流通市場では約5倍の水準に高まった。価格は発行時から6割超下落した。今は買い手が少なく、売りたくても売れない流動性の低い状況に陥っている。

新型コロナの感染拡大で、ウィーの主力拠点がある地域では外出を制限されている。投資家向け資料によると、19年6月時点で最大の会員数を抱えるのがニューヨークで5万8600人。ロンドン(4万300人)、サンフランシスコ(2万400人)、ロサンゼルス(1万8300人)が続く。これらの主要都市で全会員数の約3割に達する。

カリフォルニア州は19日に全域で外出禁止を命じ、ニューヨーク州は22日から不要不急の外出を控えるよう住民に要請した。ウィーの多くの拠点は営業しているが、利用は急減しているとみられる。

利用率は昨年まで、ニューヨークが93%、サンフランシスコで94%、ロサンゼルスで87%と、いずれも平均利用率を大きく上回る"優良都市"だった。高収益とみられる主力都市における外出制限は痛手だ。

ウィーの利用者は月ごとにオフィス利用の契約を見直せるが、ウィーは約15年の長期リース契約で物件を保有者から借りている。ウィーは利用収入を得られなくても物件保有者に対して毎月、リース料を支払う必要がある。決算資料によると、19年1~9月期のリース費用は11億5500万ドルだった。単純に9カ月で割ると、毎月1億3千万ドル程度の費用が発生している計算だ。

ウィーは19年10月からソフトバンクグループ(SBG)のもとで経営再建中で、不採算の物件契約の見直しを進めている。19年10~12月の米国における新規のシェアオフィスのリース面積は同年9月までと比べて93%減。SBGは協調融資(シンジケートローン)や社債発行による50億ドル分の金融支援策を実施するほか、ウィーは米銀大手のゴールドマン・サックスから17億5000万ドルの融資枠を取り付けている。

ただ足元の株式相場の急落を受け、SBG自身も株価の下落に直面した。23日には自己株式取得と負債削減に向けて4兆5000億円の資産を売却または資金化すると発表。ウィー支援の資金は「確保している」(関係者)というが、ウィーの資金繰りがさらに悪化した場合、追加支援は難航する可能性がある。

ウィーは近く19年12月期通期の決算を投資家向けに説明するとみられる。事業存続に向けた不透明感が増すなか、費用をどこまで圧縮できるかなど今後の再建策が焦点となる。

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