米2兆ドル景気対策はや膠着 民主が対案、非難合戦に

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2020/3/24 17:02
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米野党・民主党は新型コロナウイルス対策として景気刺激策を提示し、トランプ米政権・共和党と対立する=ロイター

米野党・民主党は新型コロナウイルス対策として景気刺激策を提示し、トランプ米政権・共和党と対立する=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米政権と連邦議会が検討中の2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策を巡り、早くも与野党のすれ違いが目立ってきた。野党・民主党は23日、共和党に対抗して、新型コロナウイルス対策として2.5兆ドルの景気刺激策を提示。ただ、同案には航空会社の環境規制なども含まれ、共和党は「緊急性がない」と反発。批判合戦へと発展し、調整がずれ込んでいる。

「いまは政治の駆け引きをしているときではない。米国の労働者を救うため、迅速に景気対策を成立させるべきだ」。トランプ大統領は23日の記者会見で、何度もそう強調した。

政権と共和党は2兆ドルの景気対策を議会に提示し、23日の早期採決を求めてきた。景気対策は家計や中小企業への資金供給が柱となり、航空会社などへの支援も盛り込む。米景気は4~6月期に2桁のマイナス成長になると予測され、早期に企業倒産や失業を防ぐ「安全網」が必要だ。「成立が一日遅れれば、倒産も失業者もそれだけ増える」(全米商工会議所)

ただ、下院で多数派の民主党は「共和党案とは隔たりが大きい」(ペロシ下院議長)と一蹴。23日には独自法案を発表した。景気対策の総額は2兆5千億ドルとし、家計への現金給付も共和党案(大人1人あたり最大1200ドル)より多い同1500ドルとした。失業者には週600ドルを支給して生活不安を解消し、中小企業には5000億ドルの資金支援枠も設ける。

決定的な違いは、航空会社など大企業の支援策だ。政権と共和党の景気対策には、航空会社には500億ドル、宿泊や飲食など新型コロナの影響が大きいほかの産業には1500億ドルの支援枠がある。民主党は「労働者を優先すべきだ」と反発し、政権・共和党案に歩み寄るのを拒む。

逆に民主党案には航空会社に環境規制を要求し、十分な経営体力があるか金融機関のような「ストレステスト」も求めるとした。過度な規制に反対する共和党は「緊急性が全くない。不要だ」と批判。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は「米国民は今、失業のニュースを毎朝見ながら起きる。民主党は妨害をやめるべきだ」と議場で野党を強く批判した。

共和党は過半数を占める上院に景気対策案を出し、民主党は自らが多数派の下院に独自法案を提出した。景気刺激策が両院で並立し、成立には法案の一本化が欠かせない。早期の財政出動を求める市場は失望し、23日のダウ工業株30種平均は500ドルを超す下落となった。決着は週末にずれ込むとの見方も浮上。議会の混迷が市場と景気のさらなる重荷となる。

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