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豊島逸夫の金のつぶやき

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ヘッジファンド、「五輪延期」で日本株買いに動く

2020/3/24 17:46
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本欄2月25日付「『五輪中止なら日本株買い』ヘッジファンドの読み」にて、東京五輪が中止・延期なら日本株買いの読みが透けると書いた。

「噂で売って、ニュースで買い戻す」というヘッジファンドの常とう手段である。

そして、彼らは五輪延期の可能性強まるとの報道で今週は買いに動いた。

日銀が1日に2000億円規模のETF買いを2回実施したことも効いている。日経平均が1万7000円の水準からさらに売りの深追いをかけることはやめたのだ。売りのリスクに見合うリターンが見込めない、との計算である。

では次の一手は?

「日経平均1万9000円から2万円なら売り」である。

彼らはコロナウイルス問題の日本での今後の展開について決して楽観していない。まだ検査が広くなされておらず、4~6月期が感染のピークと読んでいる。検査が進んだ韓国やシンガポールとは別扱いだ。日本は人口密度が高い先進国ゆえ、一定の対人距離(ソーシャル・ディスタンス)を国民が守るのは極めて困難と判断している。テレワークや時差出勤が広がり、通勤電車もギュウギュウではなくなったが、それでもラッシュアワーの混み具合は、推奨される対人距離が維持できる状態ではない。報道される写真から、そのようなコメントも聞かれる。

そもそも五輪開催の「呪縛」から非常事態宣言も出せなかったと見られている。五輪延期の可能性を認めた小池百合子・東京都知事が東京都の「封鎖」の可能性に言及したことも注目している。

特に大都市でのオーバーシュート(爆発的な患者急増)の可能性は、ニューヨーク州の感染急増で思い知らされたばかりだ。

消費増税、米中貿易戦争の影響、そしてコロナショックと続き、日本経済は明らかに縮小均衡に向かっており、株価水準も、新たな均衡水準に見合うレベルに収れんするとみている。日経平均2万円は想定されるレンジの上限というわけだ。

以上はヘッジファンドでもグローバルマクロ系ファンドの視点である。

一方、モメンタムに乗り超短期売買に徹するCTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー=商品投資顧問)が株価変動を増幅させる可能性は残る。

「これまでの日本株に関する経験値は頭の中のハードディスクから消去した」と語るヘッジファンドは、新常態(ニューノーマル)への切り替えが早い。

ヘッジファンド主導の値動きはまだ続きそうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)

 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com

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