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全仏9月延期、テニス界に激震 楽天OPなど打撃

5月下旬に開幕予定だった全仏オープンの開催日が9月20日~10月4日へ延期されることが17日に突然発表され、テニス界に波紋を呼んでいる。発表翌日、テニスのプロツアーを統括する男子のATP、女子のWTAは、新型コロナウイルス感染拡大のため、6月7日までのツアー中断延長を発表。その際、出した共同声明にフランステニス連盟の名前だけがなかった。

昨年の全仏オープンでプレーする大坂なおみ=共同

「今は単独でなく、団結して動くべきとき。新型コロナの衝撃に関する決定は関係者との相談・審査が必要だ。この考えはATP、WTA、国際テニス連盟(ITF)、オールイングランド・クラブ、テニス・オーストラリア、米国テニス協会と共有されている」

ATPとWTAが出した共同声明だ。

四大大会の開催時期は主催者が自由に決められる。ただ、変更する際は基本的に数年前から根回しする。ITFが管轄する国別対抗戦にツアーと、大会が毎週ぎっしり詰まっているからだ。他の組織の誰にも相談せず、仏連盟だけで決めたことに、ATP選手会委員のバセク・ポシュピシル(カナダ)は「(全仏の)傲慢な決定。コミュニケーションと協力が最優先のはず」。選手からは疑問の声が次々と出ている。

6月末から始まるウィンブルドン選手権、9月13日に決勝を予定する全米オープンの関係者も気が気でない。ITF、米テニス協会、ウィンブルドン主催者はそれぞれ「協力」を訴える声明を発表した。

仏連盟が「抜け駆け」と暗に批判されるのには、理由がある。

全仏が延期を決めた9月下旬からの2週間には10大会近くが予定されているものの、ATPのマスターズ大会はない。WTAのプレミア5以上の格で予定に入っているのは新型コロナの発生源とされる中国・武漢での大会で、今年の開催は危ぶまれる。ロジャー・フェデラー(スイス)が運営に関わるレーバー・カップはトップ選手がそろい、チケットも完売するとはいえ、エキシビションである。日程上、最も影響が少なく、2週間の大会を行えるのは、ここしかないのだ。

全仏オープンの会場ではセンターコートの新しい屋根の工事が進む(2月)=AP

しかし、日本で行う3大会には「被害」が直撃する。全米と全仏に挟まれた週に花キューピット・オープン(OP)、全仏と同時期に東レ・パンパシフィックOPがあり、全仏終了の翌日には楽天ジャパンOPが始まる。花キューピットの週は全仏予選と重なる。「(欧州から遠いアジアまで)選手が来るか。今、状況把握でてんてこ舞いです」と、ITF理事で楽天OPトーナメントディレクターの川廷尚弘さんは悲鳴を上げる。

ハードコートシーズン真っ盛りに、クレー大会の全仏がぽつりと入ることにもなり、「そんな短期間で調整できる!? ケガしなきゃよいけど」と土居美咲もつぶやいた。

幸い、現時点では仏連盟以外は団結してはいる。「世界のテニス界の良心(が正しい判断をすること)を信じている」と川廷さんは切実に話している。

(原真子)

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